"桑の音が消えた村" 第10話
次のまで待てない
の盛り、は蚕を飼うかどうかでつに分かれた。しでも現が必なは、危険を承で桑を使いたいと言った。方、の被害を繰り返せばを越せないと考えるは、休んで畑と活をて直したいと主張した。子はどちらの言葉にも頷けた。正解をつにまとめようとすると、今度はその正解からこぼれるがまれる。
庭が再びへ来て、採取所ごとの調査と使用履歴をもとに説した。すべての桑畑を同じ扱いにはできず、薬剤の響が疑われる所は易に桑へ使わない方がよいこと、作柄を急ぐなら全が確認できる葉だけで規模を縮めるしかないことを告げた。子は黒板に畑の図を描き、所ごとにの違うを貼った。たちは初めて、自分の畑のすぐ隣でも事が違うと目で確かめた。
ところが佐の夫がちがった。「さく飼えと言うが、うちはさく飼ったら借りたが返せない」。顔には疲れが刻まれていた。子は「以の働きも探せませんか」と聞きかけ、すぐ黙った。佐の夫は幼い子と寄りを抱え、畑仕事のに町へ働きにることも容易ではない。そのから彼は集会に来なくなった。
数、佐が子のを訪ねてきた。呂敷のには繕った作業着が枚入っており、町のでみ込みの仕事を探すつもりだという。
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子は「ちゃんたちは」と聞いた。佐は目を伏せ、「姑が見る。がここに残れれば、それでいい」と答えた。子は、蚕のが親子を引きすところまで来たのだとじた。
子は健と緒に町の職業相談所へき、農繁期のだけ雇ってくれる仕事を探した。林檎の選果、漬物、製糸の期仕事、荷造りの内職。どれも簡単ではなかったが、族全員がをれずに済む方法をしずつ組みわせられると分かった。子は佐へ仕事の候補をらせ、夫婦が顔を見わせるのを待った。どちらかがをれる以にも、選べるがあると伝えたかった。
ところがその夕方、慎造が県の薬剤販売会社から届いた請求を持ち帰った。の共同購入を取り消そうとしたところ、すでに予約が支払われており、取り消せば違約の精算が必だという。子は机に置かれた額を見て息を呑んだ。の残った収入では、到底すぐには払えない。慎造は肩を落とし、「次をうまくやるつもりで、先に注文してしまった」と告げた。
子は請求の隅に押された付を確認した。の蚕がんだ翌だった。父は失敗を調べるよりに、同じやり方で取り戻そうとしていたのである。しかも品名には、被害をしたと同じ系列の薬剤が記されていた。
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もう度撒けばがち直ると信じていた父を、子はれにった。しかしれみだけでは、次の蚕を守ることも、の借を減らすこともできなかった。
慎造は請求を娘のへ押しした。「俺だけが悪いと皆に言ってくれ。そうすればおはできていける」。子は首を振った。「を悪者にして終わりなら、また同じことが起きる。注文した、勧めた、止められなかった、みんなで何をするか決めるんだよ」。父は何も言わず、机のの計算を見つめた。
翌朝、子は組のへき、の注文の話を全員にらせるよう求めた。組は苦い顔をしたが、「もう隠せんか」と呟いた。子は答えた。「隠した方が困るが増えます」。坂のではトヨが桑を摘んでおり、その葉擦れの音だけが、までと同じの朝を作っていた。
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