みかん小説
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"桑の音が消えた村" 第13話

桑を持たないの仕事

の終わり、の畑では野菜がよく育った。養蚕だけに頼っていたが、今はさな畑にも力を入れたからである。子は町へ商にる佐と緒に、々の野菜を集める仕事を始めた。朝く野菜を選り分け、傷のあるものはでべるか漬物に回し、売れるものを箱に詰める。で収入を補うさな試みだった。

最初のでは、箱のきさも品の揃え方もばらばらで、仲買からく買い叩かれた。佐は「やっぱり慣れないことをするもんじゃない」と肩を落としたが、子は売れ残りの理由をつずつ聞いて回った。形の似た野菜を揃えること、傷みのいものを朝のうちに運ぶこと、すぎる箱を作らないこと。翌週はやり方を変え、初めて予定した代を受け取れた。

子はから戻る汽ので、母タカの若い頃のことを考えた。母も嫁に来るは町で働いていたのに、結婚してからは桑畑と台所からほとんどれなくなったという。で働く女たちには腕があっても、その腕の値段を尋ねられる会がなかった。子が始めようとしていることは、皆を急に豊かにする商売ではない。ただ、自分の仕事がいくらになるかをるさな会だった。

へ帰ると、慎造が荷を引きにていた。

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父はしい商売をよくっていなかったが、子の荷を見て「これではで箱が傾く」と言い、荷縄の結び方を教えた。子が礼を言うと、父は照れたように横を向いた。そのから慎造は黙って朝の積み込みを伝い、注文が増えると古い箱の釘を打ち直した。

ところがの若い男たちのには、女たちがへることを面くわない者もいた。原田は酒の席で「桑で失敗したら女が野菜を売り始めた。原も終わりだ」と笑った。その話を聞いた佐はったが、子はすぐ言い返さず、次の荷分の収支をへまとめた。笑われても現が入る。子どもたちの卓へ品増える。その事実で答えようとった。

方、祖母の畑ではの終わりの葉がくなり、庭の指導で全が確認できる所について数の蚕だけ飼育を再する準備がんでいた。トヨは子に「みんな同じだけ飼わなくていい」と言った。葉の量も飼うのも限られる。きく始めてまた失うより、つの蚕箔を確かめながら増やす方がよい。子はその方針をの女性たちへ話し、希望するを集めて世話の当番を作った。

最初に参加したのは佐とだった。佐の夫は反対したが、「うちだけで飼ってまた駄目にするより、皆で見られるところなら」

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と母娘は譲らなかった。所はトヨの空いている納を掃除して使った。蚕種の数はなく、のようなきな収入は望めない。それでも、きた蚕が桑をべる音を再び聞いた夜、佐は声を殺して泣いた。

「泣いてる暇があるなら掃除しておくれ」とトヨが言うと、佐は笑いながら顔を拭った。子はその横で蚕の様子を帳に記した。いつ葉を採ったか、どのが持ってきたか、何にべさせたか。祖母が癖のように言う「あとから確かめられるように」が、ようやく暮らしの形になり始めていた。

その夜、健が子を訪ねてきた。販売から返答が来たという。の薬剤の説を受けた記録について、担当者本がへ来て話すことになった。子は頷いた。さな蚕箔の音が戻った今だからこそ、きな失敗についても最まで聞かなければならないとった。

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