みかん小説
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"自治会を抜けたら、ごみを返されました" 第1話

玄関に戻された袋

の曜、午をし過ぎた頃だった。買い物にようと玄関をけた私は、扉の内側に置かれたい袋を見てを止めた。朝半にした燃えるごみで、を結んだ青い紐の形まで見覚えがある。袋のには黄いが貼られ、「自治会未加入者 集積所使用禁止」と太い字でかれていた。

私の名は川冴子、歳。夫をくしてからこの町に越してきてになるが、ごみをしただけで玄関まで返されたのは初めてだった。魚の骨を捨てたで、朝から気温は度を超えている。袋を持ちげようとして、隣の階の窓がいていることに気づき、私はを引っ込めた。

扉のには収集が通った跡も、作業員の置いた連絡票もなかった。収集の決まりに違反したならの説を聞くべきだが、今貼られているには自治会の名しかない。私はごみの分別表を見直し、す曜も確かめた。自分に落ち度がないと確かめてから、相の説を聞こうとった。

私は袋の結び目を確かめ、誰かがをけた様子はないことに気づいた。分別を違えたのなら、そうけば済むはずだった。にあるのは私のごみのではなく、自治会に入っていないという分だけだ。私はその違いを忘れないよう、黄いを捨てずに取っておくことにした。

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朝の集積所には所の奥さんがいた。は「おはようございます」と返してくれたのに、もうは私を見るなり黄いネットを直し始めた。あのはっていたのだろうか。そう考えた途端、ごみ袋よりも、自分が何か悪いことをしたように扱われていることが恥ずかしくなった。

「冴子さん、ちょうどよかったわ」。から声をかけてきたのは自治会の黒田恵さんだった。代半ばの恵さんは、いつも通り黒いファイルを脇に抱え、差しを避けるように私ののでち止まった。私は黄いを剥がして見せたが、彼女は驚きもせず「ああ、それね」とだけ言った。

「今朝したものなんです。どなたが戻されたんでしょう」「班さんにお願いしたのは私です」。恵さんはためらわず答え、先で自治会を退会したのだから、自治会が管理する集積所を使うのは公平ではないと説した。私は「では、どこにせばいいんですか」と尋ねたが、返ってきたのは「役所で聞いてみたらどうですか」という言葉だった。

「この所は昔から自治会で管理しているんです。会費を払う方と払わない方を同じにするわけにはいきません」。穏やかな声だったから、かえって言い返しにくかった。私は、町内清掃にも祭りにもてきたことを伝えようとしたが、恵さんは「それはそれ、これはこれですから」

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と静かに区切った。昔からという言葉が、まるで私のらない決まりをすべて正しくする印のように聞こえた。

恵さんはファイルから枚のを取りし、「今は利用しないという確認だけ、ここにお名をいただけますか」と差しした。私は受け取ったのに、さく「共同集積所の利用に関する承諾」と印刷されているのを見つけた。使ってはいけないという説は聞いたが、どうして私が承諾までしなければならないのだろう。

「すみません。内容を読んでからにします」。そう言うと恵さんの元がわずかに固くなり、「もちろん、無理にとは申しません」とを引っ込めた。、役員さんに何か頼まれれば断らなかった私が、たった枚のに署名しなかった。それだけなのに、のの空気が急に変わった気がした。

「退会を決めたのは冴子さんご自ですからね」。恵さんはそう言い残して角を曲がり、私はごみ袋を勝へ運んだ。蔵庫に貼った特売のチラシには、今だけ卵がいと赤くかれている。買い物かごを持ったまま私はち尽くし、どうして自治会をやめただけで、ごみを捨てる所まで失わなければならないのか考えていた。

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