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"自治会を抜けたら、ごみを返されました" 第5話

くなったの賛成票

自治会館維持積の帳簿には、私がこの町に来るから毎定の額が繰り入れられていた。根の補修や樋の交換をしたには支も記録され、領収の控えが丁寧に挟まっている。私は万円の修繕協力を集めるから積があったことをり、し驚いた。「おがあるなら、どうしてまた集めるんでしょう」と聞くと、源さんは「必な事がきければりんこともある」と答えた。

私は封筒にかれた「修繕協力」という言葉をいした。任であることはで聞いたが、集めたに残ったおをどう扱うかまでは説されていない。払わなかった私がをすのはおかしいのかもしれない。それでも、払ったがるべきことを確かめるのは、集積所の話と無関係ではなかった。

事関係の類を照すると、壁の補修も気設備の点検も実際にわれていた。業者名と支払額が致し、の助成を受けた度にはその入も記載されている。私はどこかで恵さんの違いが見つかることを期待していた自分を恥ずかしくった。嫌ないをしたからといって、相が銭をごまかしていたと決めつけていいはずがない。

ところが、帳簿の末尾に「修繕協力余剰分 自治会運営準備へ振替」

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と記されたがあった。集めた協力のうち事で使わなかった分が、別の会計へ移されている。運営準備の支には会議費、研修費、察交通費、役員への謝礼などが含まれていた。私は万円を払っていないが、払ったたちは余れば別の用途へ回るとっていたのだろうか。

「これ、勝に移していいんですか」。源さんは「総会で承認されているなら別だ」と言い、会議録の棚を指した。該当する度の総会議事録には、確かに「余剰の運営準備への振替について、席者数の賛成により承認」とかれていた。私はしかけたが、源さんは席者名簿を見たままかなかった。

「どうしたんですか」。尋ねても返事がなく、彼は別の度の議事録を取りした。分を並べると、会計報告の文章も承認の表現も驚くほど似ている。私は「の文を使っているだけじゃないですか」と言った。町内会の類なら、同じ形式を使うことは珍しくないだろうとったからだ。

源さんは席者名簿を指で追い、の名ので止めた。「田島誠」。を貸してくれた田島の先代で、私は顔をらない。源さんは議事録の付を確かめ、写真の裏にかれた古い名を見直してから、い声で言った。「このは、この総会にはられん」。

「何か用事があったんですか」

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。私の問いに、源さんは鏡をした。「くなっとるからだよ。そののにな」。議事録の付は同じのだった。席者欄には田島さんの名が残り、承認の数にも含まれている。私は付を度見たが、数字は変わらなかった。

「き違いかもしれませんよ」。そう言ったのは、恵さんをかばいたかったからではない。この町で続いてきた話しいの記録が、んだまで賛成したことになっているといたくなかったのだ。源さんも「つだけで決めつけるな」と答え、原本か写しかを確認するため表をめくった。

そこへ律子さんが入ってきた。「まだ調べていたの」と笑いかけた彼女は、机に広げた議事録を見るなりを止めた。私が田島さんの名を指して「この方はもうくなっていたそうですね」と尋ねると、律子さんは瞬だけ唇を結んだ。「そのの議事録……」とさくつぶやき、にしていた鍵束を握り直した。

源さんが「この名簿は誰が作った」と聞いた、律子さんはすぐには答えなかった。廊で音がして、彼女は入の方を見た。そこには黒いファイルを抱えた恵さんがっていた。律子さんの顔から血の気が引いたのを見て、私は初めて、これは単なる転記ミスでは済まないかもしれないとった。

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