みかん小説
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"自治会を抜けたら、ごみを返されました" 第13話

万円のき先

「会計のことで、つ質問してもよろしいでしょうか」。私がそう言うと、恵さんはし構えたように見えた。私は最初に、自治会館の修繕事が実際にわれ、帳簿にも支払いの記録があることを確認したと伝えた。会のたちがしたように息をつくのが分かり、私もその部分ははっきりさせておきたかった。

「ただ、修繕協力として集めたおの部が、運営準備へ移されていました」。私は帳簿の項目を読みげ、集会に来たたちが自分の資料でも確かめられるよう頁番号を伝えた。恵さんはすぐに「余剰の振替は総会で承認されています」と答えた。役員への謝礼や会議費も会則に沿った支で、個に流用したおは円もないという。

私は会計の頁を示すに、協力の封筒をした。そこには事の予定がくかれているだけで、余ったの扱いは記されていない。会にいた男性が自分の封筒を取りし、同じ文面だと確かめた。説したつもりと、受け取ったが理解できる説だったかは違うのだと、私はった。

「盗んだなんて言っていません」。私はそう答え、協力をしたに余剰の使いが説されていたかを尋ねた。ろの女性が「修繕に使うとっていた」と言い、別のは「総会の資料にあったのかもしれないけど、覚えていない」

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と首をかしげた。万円は計にとってさな額ではない。使いが変わるなら、分かるように説してほしいという声が増えた。

恵さんは領収の束を机に置いた。「こちらをご覧ください。壁も気設備も事は済んでいます」。源さんが「そこは疑っておらん」と答え、問題は余剰を移す決定が正しくわれたかどうかだと確認した。会計がっていることと、民が承認したことは別だ。私はようやく、その違いを自分の言葉で説できるようになっていた。

恵さんはの総会議事録をき、「席者数の賛成により承認」と記されたを示した。そこには承認された議案の名と、席者名簿が添えられていた。何かが「それなら決まっているんじゃないの」と言い、私は瞬、ここで話を終えた方がよいのではと迷った。会計のことで争いをきくすれば、ごみの利用を認めてもらう話まで壊れそうだった。

私はバッグのの封筒を指で確かめた。で何度も練習したのは、相を追い詰める言葉ではなく、事実だけを順に聞く言葉だった。「この議事録の付はですね」。恵さんが頷くのを見て、私は席者名簿の写しを枚取りした。個名をむやみに広めないよう、必な箇所以は隠してあった。

「田島誠さんも、この総会に席して賛成されたのでしょうか」

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。その名がた瞬、配の民たちが顔をげた。恵さんは「以もお伝えした通り、名簿には転記の誤りがありました」と答えた。私は「では、承認した数も確認されたのでしょうか」と尋ねた。源さんが静かにちがり、「田島さんがくなったのは、そののだ」と告げた。

「私、お葬式にったわ」。列の女性が言い、隣のも頷いた。の総会へにくなったが席できるはずはない。恵さんは議事録を引き寄せ、「数については確認です」と説した。私はそれもあり得ると考えていたので、すぐには否定しなかった。

「では、実際の席者は何で、この振替に何が賛成したのでしょう」。私が聞くと、恵さんは席者数を示そうとしたが、議事録の数は名簿と致していなかった。のの席数が、そのままかれている箇所も見つかった。会の空気が変わったのは、そのだった。額ではなく、皆が信じてきた記録そのものが、確かめられなくなったのだ。

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