"自治会を抜けたら、ごみを返されました" 第16話
曜の朝
曜の朝、私はいつもより分くをた。夜、班の佐々さんから、関係者の解が取れたので当面は従来の集積所へしてよいと連絡があった。もちろん正式な規則ができるまでの暫定な扱いで、清掃当番にも加わる。私はその条件をノートにき、話で聞いた付も残しておいた。
に私は、ごみの気をよく切り、袋のをに結んでおいた。いつもの作業を妙に慎にする自分が笑しかったが、誰かに迷惑をかけたくなかった。集積所の掃除当番の予定も、台所のカレンダーにき込んだ。利用する権利の話をした以、自分が引き受けたことも曖昧にしたくなかった。
集積所へくと、黄いネットの端がでめくれていた。先に来ていた若い男性が「これ、押さえておきます」と声をかけてくれた。集会で別のし方はないのかと質問しただった。私は礼を言って袋を置いたが、誰かにまた戻されるのではないかという気持ちが消えず、いつもより丁寧にネットをかけた。
「川さん」。振り返ると、別の班の女性がっていた。「会費を払わなくても使えるようになるなら、私も退会しようかしら」。冗談めいた声だったが、私は笑えなかった。「ごみの管理費と当番は負担しますよ。それと自治会の活をどう考えるかは、別のことだといます」
広告
。女性はし考え、「そういうことなのね」と言って自分の袋を置いた。
帰宅してしばらくすると、佐々さんから話が来た。私の利用を認めたことについて、何かが「ではほかのも自由にせるのか」と問いわせてきたらしい。私は「勝に決められたとわれると困りますね」と答え、集会で話した暫定措置を掲示板にもいてもらうよう頼んだ。以の私なら、面倒を増やしたくなくて黙っていたとう。
その午、役所の担当者が集積所の現確認に来た。自治会の役員、所者の正弘さん、源さんもち会い、私は利用者のとして参加した。職員は収集がする位置や歩者の通、容器の破損を確かめた。利用条件の争いとは別に、ネットが古く、のには袋がへはみすことも分かった。
「誰が使えるかだけでなく、誰が管理するかも決めないといけませんね」。正弘さんがそう言い、を貸し続けることには異がないが、無断で利用世帯を増やしたり、ごみが散乱したりするのは困ると説した。の職員はの使用について当事者のを確認するよう勧め、収集の全必な条件を伝えた。私は誰かが方に正しいと決めてくれるのを待つのをやめ、皆で決めるための材料が揃ってきたことをじた。
広告
ち会いの、源さんはネットの破れを指さして「これも直さんとな」と言った。私は「今度は私も当番に入ります」と答えたが、彼は「おさんだけでやるな」と言った。く暮らす所だからこそ、特定のが抱え込めばまた同じことが起こる。私はその言葉を、恵さんへの批判ではなく、自分にも向けられた注として受け取った。
その夜、自治会館の掲示板に暫定措置のおらせが貼られた。文面には自治会員かどうかを問わず、従来の利用世帯が当番と管理の約束を守ること、正式な条件は話しって決めることが記されていた。私の名はどこにもなかった。私はのにち、ようやく誰かの問題としてではなく、町の問題として扱われ始めたのだとった。
ところが、帰ろうとした、掲示板の横にもう枚のがあることに気づいた。恵さんの名で「会計に正はありません」とかれ、最には「誤解を招く発言により混乱がじたことを残にいます」とあった。私はそのを読んで、まだ終わっていないのだと分かった。
広告
おすすめ作品
-
完結第10話
七〇二号室の秘密
入籍12日目、初めて義実家を訪れた遥香は、豪華なすき焼きの陰で、義姉・真帆が水をかけた冷や飯だけを食べさせられている姿を目撃する。 真帆から託された住所を訪ねると、そこには夫・直樹がいた。彼は義姉の避難部屋を用意しながら、兄と母を恐れて救出を先延ばしにしていたのだ。兄弟姉妹|嫁姑|夫婦|真実|裡の顔|修羅場2.0万字5 18 -
完結第20話
婿との温泉旅行で、仲居から渡された「逃げて」のメモ
七十歳の元大工・桐山正三は、婿の達也に誘われ、信州の温泉旅館を訪れる。亡き妻との思い出に浸るはずだった夜、仲居から渡された一枚のメモには、「その酒を飲まず、裏階段から逃げてください」と書かれていた。達也が狙っていたのは、正三が妻と築き上げた家と土地だった。必死に逃げ帰った正三を待っていたのは、娘の貯金六百八十万円の行方と、身に覚えのない不動産売買契約書。なぜ仲居は危険を冒してまで彼を助けたのか。家族の財産と娘の人生を守るため、老大工の静かな反撃が始まる。怒り|親不孝|真実|親子関係|修羅場2.8万字5 0 -
完結第18話
父の一周忌、兄が追い出そうとした母子の契約書
父の一周忌を終えた翌朝、45歳の西村綾子は、空き家のはずの実家で見知らぬ母娘に出会う。兄の正人は「不法占拠だ」と警察を呼ぶが、12歳の少女が差し出したのは、亡き父の署名が入った三年間の賃貸借契約書だった。さらに兄は、綾子に無断で実家の売却を進めていたことが判明する。父はなぜ、家族にも知らせず母娘を住まわせたのか。そして、兄がそこまでして家を売ろうとする本当の理由とは。父の遺した一枚の契約書から、家族が隠してきた秘密が次々と明らかになっていく――。怒り|真実|絶縁|親子関係|修羅場2.2万字5 0 -
完結第10話
出張先で娘が「物置で寝てる」と泣いた夜
札幌へ出張中の宮崎亮平に、深夜十一時、八歳の娘・美和から一本の電話がかかってきた。 「パパ、ママと物置で寝かされてるの。寒いよ……」 半年前から同居を始めた母の貴子は、妻の早苗と娘を冷遇していた。しかし亮平は、妻の訴えを「母さんに悪気はない」と聞き流し続けていた。 翌朝、急いで帰宅した亮平が見つけたのは、外から扉を固定された物置で震える妻と娘。そして早苗が隠し持っていた一枚の契約書だった。 そこには、妻の不動産持分を妹へ無償譲渡するという信じがたい内容が記されていた。 家族を守るはずの家で、母と妹はいったい何を企んでいたのか――。祖父母と孫|真実|裡の顔|真相|親子関係1.5万字5 0 -
完結第18話
出産の日に捨てられた私の逆転
身分を隠し、愛する夫との平凡な幸せを選んだスー・ジーイェン。 しかし出産を目前にした日、夫のティンフォンは別の妊婦に付き添い、破水した妻を病院で見捨てた。 「俺が戻るまで勝手に産むな」 助けを求めても冷たく突き放され、絶望の中で彼女が押したのは、七年前に父から渡された銀色のペンダントだった。 その五分後、病院の空気が一変する。 身寄りのない女だと見下されていた彼女には、誰も知らない秘密があった。 夫の裏切りから始まった悲劇は、やがて病院全体を揺るがす巨大な不正へとつながっていく――。夫婦|第二の人生|親子関係|修羅場|不倫2.1万字5 0 -
完結第20話
昼寝ばかりの嫁が、潰れかけの餅屋を救うまで
借金四千三百万円を抱え、閉店寸前の老舗餅店。家族が寝る間も惜しんで働く中、嫁の美穂だけは店の隅で昼寝を続けていた。 ところが大口注文で二百万円を売り上げても、残ったのは六十万円の赤字。美穂は帳簿を分析し、赤字商品や無料配達、掛け売りを次々と整理していく。因果応報|人生逆転|嫁姑|親子関係|修羅場2.6万字5 35