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"自治会を抜けたら、ごみを返されました" 第18話

謝れなかった

会計確認の結果が役員へ伝えられたも、恵さんはしばらく町内を歩いていた。「事はちゃんとしたのよ」「円だって私の懐には入っていないの」。誰かに声をかけられるたび、彼女はそう説したという。私はそれを佐々さんから聞き、気持ちは分からなくもないとった。実際に事を配し、業者と交渉し、役員がりないには自分でいてきたのだから、全部を否定されたようにじたのだろう。

しかし、恵さんは議事録の話になると「副会が確認しなかったから」と繰り返した。律子さんが作業を怠ったことは事実でも、会として目を通していたことも確かだった。が緒に引き受けてきた仕事を、問題が起きた途端にへ押しつければ、い信頼は崩れる。私は律子さんが集会でハンカチを閉じたの顔をいした。

私は恵さんが町内で説を続けていると聞いても、こちらから言い返すを配ることはしなかった。ただ、会計確認でな支は見つからなかったという結果については、尋ねられれば必ずそのまま答えた。自分に都の悪い事実でも、隠したらまた記録への信頼が失われる。そこだけは、もう譲りたくなかった。

あるの午、恵さんが私のへ来た。黒いファイルは持っておらず、には折りたたんだが枚だけあった。

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「お、よろしいかしら」。私はをけ、玄関先で話を聞いた。恵さんは、集積所の利用について自分の説がりなかったことは認めるが、自治会を守ろうとした気持ちまで違いだったとはわないと言った。

「それは私もっていません」。私が答えると、彼女はし驚いた顔をした。私はのに話をもらったことを覚えているし、自治会館の修繕が必だったことも理解していると伝えた。そので、ごみ袋を返すに、清掃や費用の分担を相談する方法があったはずだと話した。恵さんは唇を結び、の柱に線を落とした。

「私だって、ずっと皆さんのためにやってきたのよ」。彼女の声がし震えた。私は「だからといって、何でもで決めていいわけではないでしょう」と返した。以ならそこで「言いすぎました」と謝っていたとう。けれど今回は、相が嫌な顔をしても言うべきことを言い終えるまで待った。

恵さんは持っていたを差しした。そこには会計の説と、集積所の利用をめぐる経緯が彼女のからかれていたが、私に承諾を求めるものではなかった。「役員を続けるかどうか、今度の総会で決めてもらいます」。私はを受け取り、「分かりました」と答えた。謝罪の言葉は最までなかった。

のを通りかかった佐々さんが私に気づき、「丈夫?」

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と声をかけた。私は「話はできました」とだけ答えた。佐々さんはそれ以聞かず、庭に咲いたの苗をつ持ってきてくれた。私は鉢の空いている所へ植えながら、町内での付きいは会と私の関係だけではないのだとい直した。

恵さんが帰った、私は玄関の段差に腰をろした。言いいにならずに済んだことにはほっとしたが、がれたわけではない。くっていると、もう以のようには話せない。その寂しさは、ごみをせるようになっただけでは消えなかった。

数、律子さんから連絡が来た。臨総会では会計確認の結果を報告し、役員の改選と、集積所の利用規則を正式な議題にすることになったという。恵さんは次の会選には候補しない向を示したそうだ。私はその話を聞いても嬉しいとはえなかった。あのが町のためにしてきた仕事まで、誰かが引き継がなければならないからだ。

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