みかん小説
本棚

"出産の日に捨てられた私の逆転" 第11話

の「」の正体

ティンフォンから直接会いたいと連絡が来たのは、退院からかだった。

ジーイェンは弁護士を同席させることを条件に応じた。

所は、かつてで暮らしただった。

玄関をけた瞬、胸がしだけ痛んだ。

妊娠に選んださな子ども用の棚。

途まで編んだベビー用の毛布。

それらは、彼女が運ばれたから、そのまま残されていた。

ティンフォンはリビングに座っていた。

以より痩せた。

「話って?」

ジーイェンは向かいに座った。

「硯」

と同じ呼び方。

それだけで、かつての自分ならが揺れただろう。

「百万ドル払う」

ジーイェンは何も言わなかった。

「りないなら百万」

沈黙。

「百万」

彼は苛ってきた。

「千万。それで訴えを取りげろ」

「私が欲しいのはおだとってるの?」

「じゃあ何だよ」

「事実よ」

ジーイェンはバッグから類を枚した。

「これは何?」

ティンフォンの顔が変わった。

精神科の診断だった。

次に枚目。

枚目。

全部で枚。

さらに、施設への入院相談記録。

最に置いたのは保険契約だった。

「千万ドル」

ジーイェンは夫の目を見た。

「私がんだら、あなたが受け取る予定だった額」

「違う」

ティンフォンはすぐに言った。

「何が違うの?」

「これは……万に備えただけだ」

「じゃあ、受診したこともない精神科の診断は?」

広告

「らない」

「署名鑑定をしてる」

「俺じゃない」

「病院の内部システムには、あなたのIDで承認した記録が残ってた」

ティンフォンのが止まった。

「シュアンシュアンが産したあと、私を期入院させるつもりだった?」

「違う!」

「それとも事故に見せるつもりだった?」

「違うって言ってるだろ!」

初めて声を荒らげた。

ジーイェンは逆に静かになった。

りは、とっくに通り過ぎていた。

「あなたが番誤算したこと、教えてあげる」

「何だよ」

「私が孤児じゃなかったこと?」

ティンフォンは黙った。

「違うよ」

ジーイェンはゆっくり首を振った。

「私がまだ、昔の私だとってること」

。

されるためにした。

嫌われるのが怖くて、聞きたいことを聞かなかった。

夫の帰宅が遅くても責めなかった。

義母に侮辱されても笑って受け流した。

ティンフォンは、それを従順さだとった。

「あなたが私を切にしなかったことより、私は私自を切にしなかったことのほうを悔してる」

ジーイェンはちがった。

「だから、もう度と戻らない」

「待て」

「弁護士を通して」

「硯!」

振り返らなかった。

玄関をる直、ティンフォンの声が追ってきた。

「俺と別れて、おに何が残るんだ!」

ジーイェンは度だけを止めた。

それでも答えなかった。

数。

その問いへの答えを、ティンフォンはニュースでることになる。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: