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"父の一周忌、兄が追い出そうとした母子の契約書" 第1話

父のにいた母子

「この、来には売るから。荷物は今にまとめてください」

父の周忌を終えた翌朝、兄の正は、見らぬ女性と女へそう言い渡した。久しぶりにけた実の台所には、子ども用の筒と学のプリントが置かれ、蔵庫には献表が磁で留められていた。空きだとっていたに、誰かの常が根をろしていた。

私は綾子、45歳。父の浩司がくなってから、実の管理は4歳の兄に任せていた。私はで2れた町にみ、調剤薬局で働いている。父の通院にはに度付き添ったが、鍵や固定資産税、庭の入れは、くにむ正が引き受けていた。

女性は川加奈子、34歳と名乗った。隣にいた12歳の娘、里奈は、ランドセルを胸へ抱えている。2は半からこのにみ、父と正式に契約したと主張した。

「父はその、もう入院していました」

正が遮った。父はくなる4かから全で入退院を繰り返している。契約などできる状態ではなかったというのが兄の説だった。

加奈子は茶箪笥の引きしから、透なファイルを取りした。《定期建物賃貸借契約》とかれ、貸主欄には父の署名と実印がある。期は3、賃は2万円。敷なし。ただし契約終には退するという内容だった。

兄は目見るなり偽物だと言った。

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父の実印は自分が預かっており、署名も々しすぎる。類を奪おうとすると、里奈が母親より先にファイルを抱えた。

「おじいちゃんが、これは私たちを守るだから、絶対なくすなって言いました」

その呼び方に、正の顔が変わった。

「うちの父を勝におじいちゃんと呼ぶな」

兄は警察へ話した。法占拠者がいる、契約を偽造している能性があると説した。駆けつけた警察官は契約と公共料の領収を確認し、居侵入ではなく民事の争いだと告げた。民票もこの所へ移され、気とは加奈子名義になっていた。

私は、父から母子の話を度も聞いていない。兄がる理由も分かった。しかし、追いされると聞いた里奈のが震えていることも見えた。

「売却は、度止めよう」

私が言うと、正は信じられないという顔をした。

「もう付を受け取ってるんだぞ」

初だった。相続登記も終わっていないを、兄は誰に売ったのか。問いただすと、正は鞄から売買予約をした。

契約は、父がくなる3になっていた。

警察が帰った、私は加奈子へ、今夜だけはここにいてよいと告げた。正は所者でもない妹に決める権利はないとったが、兄にも単独で追いす権利はない。私は玄関と契約、蔵庫に貼られた学予定表を携帯話で撮し、の現状を記録した。

翌から誰かが物をかしても、最初の状態を説できるようにするためだった。

その晩はくの旅館へ泊まり、父の最の1を帳へきした。入院、私が面会した、正から受けた連絡、葬儀費用。記憶だけでは、兄の説がどこからい違うのか分からない。父のにらないがいた衝撃より、私が父の活をっているつもりで、実際には1の面会しか見ていなかったことの方がく残った。

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