"剣を捨てない花嫁" 第16話
もう「男みたい」と言われても
稽古を始めてから、さまざまなが来た。
には私を見て笑うもいた。
「女なのに随分たくましいですね」
「奥方が剣術ですか」
昔なら、その言葉だけで胸が痛んだ。
男みたい。
女らしくない。
何度聞いたか分からない。
だが今は笑って返せる。
「ええ、よく言われます」
それで終わりだ。
私は自分が女らしいかどうかを、に決めてもらう必がなくなった。
ある、の母親が娘を連れてきた。
歳ほどの女は髪をく切り、黙ってを見ていた。
「この子、学で男みたいだってからかわれて」
母親が言った。
私は女のにしゃがんだ。
「剣、やってみたい?」
女はさく頷いた。
刀を渡す。
最初は恐る恐るだった。
でも数回振るうと、目が変わった。
「楽しい」
その言を聞いた、歳の自分をいした。
もしあの頃、誰かが私にこう聞いてくれていたら。
剣をやりたい?
髪を切りたい?
息子になりたい?
私は何と答えただろう。
もう答えは分からない。
でもこの子には選んでもらえる。
「また来てもいいですか」
「もちろん」
女は笑った。
その顔を見て、私はいが無駄ではなかったとえた。
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