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"孫に「ここに居たければ黙れ」と言われた私が、翌朝家を出た理由" 第3話

通帳に残った

退職したころ、私はを毎およそ万円受け取れる見込みで、退職も千百万円ほどあった。弘とで慎ましく暮らしてきたため、宅ローンは完済していたし、しの預貯も残っていた。けれど同居を始めてからので、リフォーム費用だけでなく、族への支が像以に積みなっていた。ある、で記帳した通帳を見て、私はようやくその速さに気づいた。

学費と学への納付で万円を超え、塾代は万円、スマホ代は万円余り。部活の征費や用具代が万円ほど、真理恵に渡す活費は万円になる。そこへ教材費や交通費が加わるので、私の負担はに百万円を超えていた。固定資産税や費、自分の暮らしに必な費用は、それとは別である。

「来からはし見直さないとね」と真理恵に伝えたことがある。すると彼女は、私のできくため息をついた。「お母さん、蓮斗の学を途で諦めさせるんですか。私たちだって好きで頼んでいるわけじゃありません」。ちょうどそのとき蓮斗が帰宅し、真理恵は聞こえるように「おばあちゃんが塾をやめろって」と言った。私はそんなことを言もにしていなかった。

蓮斗は私を見て、「の話なら母さんとしてよ」

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と言い捨てた。そのろ姿に向かって説しようとしたが、真理恵が「今は刺激しないで」と腕を押さえた。話しいのたびに、私の言葉だけが別のに置き換えられていく。病院で働いていたころ、記録を残さなければ事実が曖昧になる面を何度も見てきたのに、自分ののことになると何もき留めていなかった。

私は計用の古いノートをし、過の振込と額をき写した。自分で負担すると約束した学費と、急に頼まれた費を分け、領収のあるものには印をつけた。っていたよりも印のつかない支がかった。特に真理恵へ渡している毎万円は、何に使われたのか度も聞いたことがなかった。

学から届いた支援制度の案内についても調べてみた。所得などの条件で利用できる制度は異なるが、なくとも申請の否を確認する価値はある。私は学の事務へ話し、保護者が続きできる制度の概だけを尋ねた。事務の女性は丁寧に説してくれたが、最に「詳しいことは保護者の方と緒にご確認ください」と言った。私には学費をす責任があるように扱われながら、肝の続きについては何もらされていなかった。

その夜、階から真理恵と蓮斗の声が聞こえた。階段のでを止めたのは、私の名がたからだった。

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「あのはおを持っているのよ。孫に頼まれたら断れないんだから、慮する必なんかない」。蓮斗が「でも、ばあちゃん最うるさいじゃん」と言うと、真理恵は笑った。「のことはそのうち孝太のものになるんだから、今から気を遣わなくていいのよ」。

そのの午、私は学費の振込控えを代順に並べた。蓮斗の学を支えたことに悔はなかったが、支援の話になると真理恵が必ず会話を終わらせる理由はりたかった。孝太に直接尋ねるための質問をつだけノートにいた。にならずに話す準備をすることが、私にできる最初の反撃だった。

私は音をてないように台所へ戻り、ノートを閉じた。真理恵の言葉が胸に刺さったのは、おをさせるという部分だけではない。弘と私が働いて建てたを、まだきている私のらないところで、すでに息子の財産のように話していたからだ。翌朝、私はいつもどおり蓮斗の弁当を作ったが、の通帳との権利証の保管所だけは、誰にも見られないように変えた。

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