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"孫に「ここに居たければ黙れ」と言われた私が、翌朝家を出た理由" 第13話

あの夜を見ていた

蓮斗の友、直が孝太を訪ねてきたのは、休みに入る直だった。あの夜、私の襟元をつかんだ蓮斗を止めようとしたである。玄関で孝太の顔を見ると、直はくをげ、「おばあさんのこと、ずっと気になっていて」と言った。孝太はをリビングへ通し、何があったのかを落ち着いて話してほしいと頼んだ。

直は、蓮斗が祖母を居候と呼んでいたことを以からっていた。友たちのにはそれを本気にしている者もいたが、直は私がいつもみ物や事をしていたことを覚えていた。「あの、おばあさんは普通に静かにしてほしいって言っただけです。蓮斗が急にって、をつかんで」。直はそこで言葉を切り、を膝ので握りしめた。

「俺、止めたんです。でも、もっとく止めればよかった」

孝太はの言葉を聞き、顔を伏せた。直は未成で、あのでできることは限られていた。それでも祖母を守ろうと声をげた。父親である自分は、同じ部に駆けつけていながら、息子にきちんと向きうことさえしなかった。孝太は「君が謝ることじゃない。の俺が違えたんだ」と答えた。

直は、もうつ話しておきたいことがあると言った。あの夜、友のが騒いでいる様子を画に撮っていたが、私が襟元をつかまれた瞬、驚いて撮を止めたという。

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画には全ては映っていないものの、蓮斗の鳴り声と、友たちが止めようとした声が残っていた。直は持ち主の友と相談し、必なら本の承を得て確認に協力したいと申した。

孝太はその話を桐野へ伝えた。桐野は証拠として扱うの確認事項を説し、たちに無理な負担をかけないようにめることになった。私はその報告を受け、直のことをいした。あの夜、ただ、はっきりと「やめろ」と言ってくれた声が、今もに残っていた。

私は千鶴に頼み、直へいを預けた。「あの夜、声をかけてくれてありがとう。あなたが気に病む必はありません」。それだけくつもりだったが、最に「の問題はが引き受けます」と付け加えた。孫の友まで巻き込んでしまったことはつらかったが、見て見ぬふりをしなかったの勇気を、私は忘れたくなかった。

直からを受け取った蓮斗は、何度も封筒を見返した。「ばあちゃん、俺には何も言ってこないのに、直にはありがとうって」。直は静かに答えた。「おが謝るに、ばあちゃんに返事を求めるのは違うとう」。蓮斗は反論しなかった。友達に叱られたからではなく、自分がどれほど祖母を怖がらせたのかを、初めての言葉で理解したのだった。

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直が帰ったあと、孝太は玄関でいことち尽くした。息子の友が勇気をして話しに来てくれたのに、父親の自分は母親へ直接謝ることすらできていない。今すぐ会いたいと言えば、また母親に自分の気持ちを受け止めさせることになる。孝太はまず転居の準備をめ、約束を守ることで謝罪のを示そうと決めた。

直は学で蓮斗を無することもしなかった。ただ、誰かをからかって笑いを取ろうとしたときには、以のようにわせないようにした。蓮斗は最初その沈黙を気まずくじたが、やがて友達でいることと何でも許すことは違うのだとった。

その夜、蓮斗は父親に「ばあちゃんに謝りたい」と伝えた。孝太はすぐに話をかけることを許さず、「まず何を謝るのか、自分で考えていてみろ」と言った。蓮斗は机に便箋を広げたが、最初のがなかなかけなかった。「ごめんなさい」という言葉だけでは、あの夜にしたことのさを説できない気がしたからだ。

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