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"孫に「ここに居たければ黙れ」と言われた私が、翌朝家を出た理由" 第15話

謝れば戻るとった

真理恵からの謝罪の申しは、桐野の事務所を通して届いた。私はを受け取ったが、封筒をくから、どこか落ち着かない気持ちになっていた。、真理恵は私が何かを断ろうとするたびに、族のためだと言って引き留めてきた。今回のも、私の体を気遣うためなのか、にみ続けるためなのか、確かめる必があるとった。

便箋には丁寧な文字で「これまで配慮がりず、申し訳ありませんでした」とかれていた。そのあとに続いていたのは、蓮斗の受験と孝太の仕事の事、転居による負担のきさだった。最には「もうしだけ、今ので暮らさせていただけませんか」とある。私は読み終えて、をそっと畳んだ。私の首が痛んだことや、で怖いいをしたことについては、も触れられていなかった。

私は返事を急がなかった。千鶴は「謝ってきたなら、しは変わったのかしら」と言ったが、私は首を横に振った。「謝罪を受け取ることと、同じ暮らしに戻ることは別だとうの」。千鶴はしばらく私の顔を見てから、「そうね。あなたがまたするための謝罪なら、がないわね」と答えた。

方、孝太は真理恵がを送ったことをり、内容を見せてほしいと頼んだ。真理恵は「ちゃんと謝ったのに、何が悪いの」

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と言ったが、孝太は読みめるうちに顔を曇らせた。「これじゃ、母さんにもう度助けてくれって頼んでるだけだよ」。真理恵は「じゃあ、どうけば許してもらえるの」と問い返した。孝太は「許してもらうためにくんじゃない」と言った。

その言葉に真理恵は黙り込んだ。彼女は最初から私を傷つけようとって同居を始めたわけではない。賃のかからない暮らしにし、蓮斗の教育におをかけられることをび、いつしか私が何でも引き受けるのが当たりになった。失いたくないものが増えるほど、それを支えているの気持ちを考えなくなっていた。

私は桐野に、返事としてい文章を預けた。「おは読みました。今の同居は望みません。転居については、孝太と協議をめてください」。責める言葉も、励ます言葉も添えなかった。真理恵はそれを読んで泣いたと聞いたが、私はその涙のを確かめようとはわなかった。誰かの気持ちを受け止めることと、誰かの求を引き受けることは、同じではないからだ。

そのころ、蓮斗は学で直と話すが増えていた。以のように友のでがることはなくなり、部活のあとに内の片づけを伝うようになった。ある、直が「おばあちゃんに謝る、けたか」と尋ねると、蓮斗は「いたけど、まだ渡せない」

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と答えた。「許してほしいってきそうになる。そうじゃないって分かってるのに」。直は「それなら、もうし考えればいい」と言った。

桐野は、私が返事をしないことを相への罰にしないよう、必な連絡だけは期限内にめてくれた。私はをけ渡す続きと、族とのの問題を分けて考えられるようになっていた。相の謝罪を待って売却を止めることも、腹をてて急いで処分することもしたくなかった。私自が納得する速度でめると決めた。

私のもとへは、桐野から正式な退の案が届いた。転居の期限、荷物の搬、鍵の返却、内の確認、残された物の扱いが記されていた。私はつずつ読み、分からない箇所は質問した。護師のころ、説を受けずに同へ署名する患者を見て、必ず本の理解を確かめるようにしていた。今度は自分が、納得してから署名する番だった。

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