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"孫に「ここに居たければ黙れ」と言われた私が、翌朝家を出た理由" 第18話

謝罪のにすること

退のに署名がそろったあと、孝太から私宛てに通のが届いた。桐野を通して受け取った封筒には、昔から変わらない息子のしがりの字で「母さんへ」とかれていた。私はすぐにかず、夕を済ませてから机に座った。蓮斗のではなく、まず孝太から届いたことが、しだった。

には、あの夜のことが具体にかれていた。蓮斗が私のをつかんでいるのを見たこと、真理恵が私を責めたとき何も言わなかったこと、病院へ連れていってほしいという頼みを断ったこと。孝太は言い訳をせず、つずつ自分のを挙げていた。「母さんがをたのは、蓮斗だけのせいじゃない。俺が母さんを守らず、頼り続けたからです」。私はその文を何度も読んだ。

「返事は急がなくていい。をる約束は守る。もう母さんのおを当てにしない」。最にそうかれていた。私は息子の言葉を信じたいとったが、まだ会う気にはなれなかった。謝ってもらえたことはうれしい。けれど謝罪の通で、何もの暮らしので失ったが戻るわけではない。私はを夫の写真のそばへ置き、しばらく窓のを見ていた。

方、蓮斗は引っ越しの準備を伝っていた。階の部から本やを段ボールに詰め、使わなくなった物を分別した。

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私が昔買ってやったサッカーボールや、弘と緒に撮った写真もてきた。蓮斗は写真を捨てず、封筒に入れて自分の鞄へしまった。のには、自分が気にも留めなかった祖父母とのが、った以に残っていた。

台所の棚を空にするとき、蓮斗は古い弁当箱を見つけた。学ので使っていた、青い蓋のさな弁当箱だった。蓮斗は真理恵に「これ、まだあったんだ」と言ったが、母親は「おばあちゃんが捨てずに取っておいたのね」と答えただけだった。蓮斗は蓋をけ、空のをしばらく見つめた。毎朝当たりに用されていた弁当は、誰かのでできていたのだ。

真理恵は引っ越しの段ボールをに、何度もため息をついた。自分のだとっていた階の浴も、広いリビングも、庭の物干しも、もう使えなくなる。孝太は荷物を運びながら「今までが恵まれすぎていたんだ」と言った。真理恵は返事をしなかったが、そのは初めて、誰かを責める言葉をにしなかった。

退まで週となったころ、桐野から内確認の程について連絡があった。私は息子族と鉢わせしないよう、鍵の返却にへくことにした。夫と建てたを最に見ておきたい気持ちはあったが、また戻りたくなってしまうのではないかとでもあった。

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千鶴は「緒にくわよ」と言ってくれた。私はその申しを受け、夫の写真を持っていくことにした。

孝太は退の掃除を業者任せにせず、蓮斗と緒にを磨いた。かつて母親がをこぼした所には、具をかしたときについたさな傷が残っていた。孝太はその跡を見て、あの夜、真っ先に拭くべきだったのはではなかったとった。蓮斗にも、をきれいにして返すことが祖母への最限の礼儀だと伝えた。

引っ越しの作業を終えた夜、孝太は母親が使っていた台所の計をした。持っていくべきか迷ったが、私の物だと分かっていたので、桐野に確認してから返すことにした。勝に判断せず尋ねるという当たりのことを、息子はようやく覚え始めていた。

蓮斗は自分のいた謝罪のを、父親に見せた。「ばあちゃんが許してくれなくても、これだけは渡したい」。孝太は黙って読み、最に「自分のしたことを、ちゃんとけてるとう」と答えた。蓮斗は封筒に宛名をき、桐野へ届けるよう頼んだ。返事を求める言葉は、もかなかった。

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