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"孫に「ここに居たければ黙れ」と言われた私が、翌朝家を出た理由" 第22話

玄関の向こうの蓮斗

約束の、インターホンが鳴ったのは午ちょうどだった。モニターに映った蓮斗は、以よりし痩せたように見えた。制ではなく、洗いざらしの紺の着を着て、両でさな袋を持っている。私は呼吸してから玄関をけた。蓮斗は私の顔を見るなりをげ、しばらく顔をげなかった。

「ばあちゃん。あの夜は、本当にごめんなさい」

声が震えていた。私は「へ入りなさい」と言い、狭い卓へ案内した。蓮斗は靴をそろえてがり、部を見渡した。窓辺に置いた弘の写真に気づくと、そこでもさくをげた。私はほうじ茶をつの湯みに注ぎ、向かいの子へ座った。以のように、蓮斗の顔を見ながら何かを差しそうとはわなかった。

蓮斗は、をてからのことをしずつ話した。しいまいでは父親と母親が計を見直し、事も分担するようになったこと。学の費用について父親が相談してくれたこと。自分も器を洗い、弁当を作る練習をしていること。私はを挟まずに聞いた。孫が変わったかどうかを、そのの言葉だけで決めるつもりはなかった。

「俺、ばあちゃんに全部やってもらってた。飯も、洗濯も、学のも。それなのに友達ので、ばあちゃんを居候だって言った」

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。蓮斗は膝のでを握った。「あの夜、俺がをつかんだとき、ばあちゃんが壁にぶつかったの、覚えてる。あれをいすと、今でも怖い」。私は蓮斗の目を見て、「私も怖かったわ」と答えた。孫はうつむいたまま、何度もうなずいた。

「謝ってくれたことは受け取るわ。でも、あのには戻らないし、と同じ暮らしにも戻らない」。私はできるだけ穏やかに、しかし曖昧にならないように言った。「あなたの学費は、お父さんとお母さんが責任を持って考えること。私はこれから、自分のためにもおも使うつもりよ」。蓮斗は「うん」と答えた。以なら「族なのに」と言い返したかもしれないが、そのは何も求めなかった。

私は引きしから弘のを取りした。「おじいちゃんが、くなるにいてくれたの。あなたのこともいてあるわ」。蓮斗は便箋を両で受け取り、ゆっくり読んだ。転んでも自分でちがる子だという文で、孫の唇が震えた。「じいちゃん、そんなことってたんだ」。私は「あなたを信じていたのよ」と答えた。

蓮斗は袋からさな包みをした。にはの柄の便箋と、自分で作った格好な卵焼きが入った弁当箱があった。「今朝作ったんだ。べてもらおうとったけど、無理なら持って帰る」。私は蓋をけ、し焦げた卵焼きを見て笑った。

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「よく作ったわね。でも、今はあなたがべなさい。次に来るときは、私の分を作るかどうか先に聞いてね」。蓮斗は涙を拭きながら笑った。

蓮斗は学の先にも、ったときにを傷つけないための相談をしていると話した。「すぐ変われるか分かんないけど、友達ので格好つけて誰かをに見るのはやめたい」。私は「そういう話をできるがいるのは事ね」と答えた。謝るだけで終わらず、次に同じことをしないためにいているとり、私はようやくしした。

私は蓮斗に、首の痛みはもう落ち着いていることを伝えた。ただし、痛みが消えたからといって来事まで消えるわけではないとも話した。蓮斗は「分かってる」と答え、目をそらさなかった。私はその返事を聞き、今はそれで分だとった。

帰り際、蓮斗は玄関で振り返った。「ばあちゃん、またいてもいい?」。私は「もちろん。返事が遅いことはあるかもしれないけど」と答えた。孫はくをげ、階段をりていった。私はその背を見送りながら、幼い蓮斗が転んだあと自分でちがったのことをいした。今度も、あの子は自分のでつしかないのだ。

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