みかん小説
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"花嫁のいない結婚式" 第13話

式に残された跡

旅会社の証拠をに入れた私は、休むことなく次のを打った。 あの、彼がで駆け回り、異常なまでのこだわりを見せていた結婚式――沿いのリゾートホテル『オーシャンビュー横浜』のブライダルサロン宛てに、至急の示請求メールを送付したのだ。 式契約の連名署名者には、私自の名も入っている。婦本としての契約内容確認請求を、ホテル側が拒否することは法に能だった。

同の夕方、式の支配から丁な詫び状とともに、通の密文がPDFで送信されてきた。 タイトルは『婚礼打せ詳細記録シート(初回ご相談)』。 付は半、瞬が私に内緒でで式を訪れ、仮予約を押さえたのものだった。 担当したブライダルプランナーのきメモ欄を拡した瞬、私はパソコンので激しい戦慄に襲われた。

そこには、担当者の几帳面な字で、こう克に記録されていたのだ。

『郎・黒田様より特記事項のいご指定あり。 持参された青のバインダーノート(※過の成約キャンセル案件の資料とお見受け)を示され、記載されたプラン通りの完全再現をく望される。 ・チャペル装:ブルースターと百のみ(品種指定厳守) ・婦入曲:カノン(パイプオルガン演奏、聖隊は女性名限定) ・テーブルクロス:ロイヤルブルー、ナプキンはホワイトの折り ・披宴メニュー:〇度の旧特撰フレンチコース(※現廃止メニューだが、郎様のい希望により特注対応にて) ・婦装:提携ショップ指定のクラシックAライン(※郎様が型番を直接指定され、デザインの試着はとのこと)』

(……完全再現)

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メモの文字が、私の目を焼き尽くすようだった。 料理のコースから、テーブルナプキンの折り方に至るまで。 彼が私を連れて式見学にったとき、『由には絶対にこの青いクロスが似うとって、俺が選んだんだ』『この料理、由の好きな魚料理が入ってるから特注したんだよ』と誇らしげに語っていたあの言葉のすべてが、の織のプランの丸写しだったのだ。 彼は私の好みなど秒たりとも考えていなかった。 、織に逃げられて果たせなかった自らの結婚式の完全なるコピーを、私という形を使って完成させようとしていただけだった。

さらに、私はもうつの決定な証拠を押さえるため、結婚準備のためにで共していたクラウドの計簿フォルダにアクセスした。 居の具やの購入代を割り勘にするため、レシートの写真をアップロードして共する設定にしていたのだ。 過ヶのアップロード履歴を遡ると、瞬が個の経費精算用と違えて誤って共フォルダに同期させてしまった、枚の審な領収の画像が残されていた。

枚目は、式の週の付。 京都港区・青の超級フレンチレストラン『レ・クレアシオン』。 発刻は午分。数欄には『2名』、額は万千円。

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私は自分のスマートフォンのメッセージ履歴をき、そのの瞬からのLINEを確認した。 『――由、ごめん。今急なトラブルで残業になっちゃった。胃の調子も悪いから、コンビニでお粥買ってべて、今はもう寝るね。連絡気にしないで』 私が『無理しないでね、お事に』と配の返信を送っていたその同じ刻に、彼は青で万円を超えるディナーを別の女と楽しんでいたのだ。

枚目の領収は、式の週。 ホテル椿荘京のメインラウンジ。 午分、数『2名』。 そのの彼のLINEは、『今は終、幕張の展示で競ホテルのリサーチ業務。波が悪いから返信遅れる』だった。

(式夜に匠に漏らしていた、「回ほど会った」という自……)

青のフレンチと、椿荘のラウンジ。 回の密会の、所、そして彼が私に吐いた偽りの残業と言い訳。 すべてが寸分の狂いもなく、パズルのピースのように致した。

私はエクセルをき、本の緻密な系列照表(タイムライン)を作成した。 列には瞬が私や周囲に送ったメッセージの文面。 列には、旅会社のアカウント履歴、式の初回相談記録、そして密会の領収画像。 嘘と真実が酷に対比されたその表は、のが婚約者に対して仕掛けた、おぞましい背信の完全なる解剖図だった。

「これで、チェックメイトよ」

私は完成した資料を暗号化し、佐藤弁護士のメールアドレスへと送信した。

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