みかん小説
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"一等くじの切れ目" 第12話

、片桐のに集まったのは、子、たね、魚の清吉、乾物の、そして久蔵だった。片桐はいそろばんをして、各が今払った福引負担を軒ずつきした。額には差があり、商いのきいほどく負担している。ところが、会のした計額と、主たちの記憶する支払額はわなかった。片桐は「抜けているがあるのかもしれん」と言って、すぐに誰かを犯に決めつけることを避けた。

商にはの協賛があった。用された特別なくじも枚。景品をしたのうち部は、取引先との付きいを事にするため、った顔へ景品を当てることに協力していた。のは、そんなことはらなかったという。はを握りしめて、「うちは末の砂糖を削って協賛したのに」とった。清吉は「それでも灯を直したのは事実だ」と会をかばった。事実はいくつもあり、そのすべてを枚にまとめる帳面がないことが、いまや最の問題だった。

片桐は商会の古い規約を読みげた。福引の準備と支は幹事会が決めること、特別な取り決めは協賛へ説すること、景品の引き渡しをもって抽選を完すること。どれも堅苦しい言い回しだったが、子には初めて理解できた。相を責めるための言葉ではなく、皆が同じ約束で商売をするための決まりだったのだ。

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勝に当選者を決めたり、で景品を回収したりすることは、その約束のにある。

会の途、美津がを抱えて現れた。学で使うような茶い包みの束だった。「柏さんから預かった。こっちは特別くじを納めたの控え」。子が娘を見げると、美津は唇を噛んだ。「私が追加注文のを運んだのは本当。でも、全部を箱へ入れたわけじゃない。枚だけ自分で折って、当てようとした」。その声を聞いたたちが斉に娘を見た。美津は逃げなかった。

「お母さんが当たればいいといました。でも、それでのの当たりを取っていいわけじゃなかった。私がしたことは、私が説します」

が息を吐いた。清吉は難しい顔で腕を組んだ。子は娘をかばいたかったが、そので代わりに謝ることをしなかった。がしたことを別のが説してしまえば、何も変わらないと気づいていた。美津は頬を赤くしながら、いつ、どこで、どうやってを入れたかを話した。真がどこまでっていたかについては、「私のしたことに、あの子を巻き込まないで」と言った。

集まった主たちは、途でたねが差しした茶をみながら、自分のの末をい返した。乾物では利の品を値引きし、魚では売れ残りを族でべた。それぞれがしずつ無理をして商を続けている。

だからこそ『会のため』という言葉がかったのだ、と子は気づいた。きな板をつけられたら、が助かるかもしれない。隣町に流れた客が戻るかもしれない。その願いは違いではない。ただ、その願いを盾にしての名と当たりを勝にかした瞬、会は守りたいものを取り違えたのだ。

その夜、片桐のから帰る際、たねが子に言った。「美津ちゃんは、とんでもないことをした。でも、でのへてきたのは見事だったよ」。子は苦く笑った。「そんなふうに育てた覚えはないんだけどね」。たねは傘を握り直した。「親がっているより、子はずっと親を見てるものさ」。子はになるのたい空を見げ、は晦だとった。今最のまで、族は洗濯台に振り回され続けていた。

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