"一等くじの切れ目" 第17話
、柳町商では再び幹事会がかれた。今度は会のではなく、町の集会所が会だった。壁にはの交通全の標語が貼られ、真んにきな机が並べられている。商主たちは自分のの帳簿を持参し、片桐の助けを借りての福引負担を確かめた。途で数字を読み違える者もいたが、誰も笑わなかった。これまで会に任せきりにしてきたことを、しずつ自分のへ戻しているのだ。
洗濯の代は、卸問への未払い分を含めて支払わなければならない。川は自分ので値引きできる額を提示したが、まだがあった。協賛のには、「そんなを今さらせない」と拒むもいる。清吉は厳しい顔で、「景品を約束した以、商全体で責任を持つしかない」と言った。会を擁護してきた男のからた言葉だったので、皆がし驚いた。
そこでたねが提案した。「景品の代わりに、皆へ事を説して、希望するには買い物で使える券を渡したらどうだろう。福引の当たりを取り消されたままじゃ、客が納得できない」。片桐は、そのためにも正確な額が必だと言った。修正にはがかかるが、客へ黙って終わらせるよりはましだった。岩崎は畳のに座り、以ほどきな声をさなくなっていた。
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自分が守ろうとした商を、今度は自分以のがて直そうとしている。
子は会の終わりに、つだけを挟んだ。「私の等は、取り消してください」。美津が隣でさく息を呑んだ。会はうなずいたが、たねが「おさんが嫌ならもちろんそうする。でも、その洗濯は誰かへ渡さないといけない」と言った。子は続けた。「に福引券を集めたが、もう度申し込めるようにできませんか。使ってしまったもいるから、の買い物控えや主の確認でも受け付けるように」。完璧な方法ではないが、だれかだけがっているくじではなくなる。
片桐は参加者全員へ、もうつ事な話をした。「抽選をやり直すなら、最初の等に当たった田さんが、もう度当たることもあれば、れることもあります。その結果をあとから変えないと、ここで決めておきましょう」。会のには黙っていた々が、今度は互いの顔を見てうなずいた。子もそこではっきり「構いません」と答えた。言葉にした瞬、胸が痛んだ。どんなに欲しい物でも、誰に当たるか分からないことを受け入れなければ、福引は始まらないのだ。
会に残った若い主は「透な入れ物を使っても、に印をつけたら同じことです」と指摘した。片桐はその通りだと言い、応募札をそろえる方法まで見直すことにした。
誰かの善だけを信じるのではなく、疑おうとえば誰でも確かめられること。それが今回、皆で決めたもうつの約束だった。
その晩、子は久しぶりに美津とで川べりを歩いた。娘はしばらく黙っていたが、「お母さん、抽選がやり直しになったら、もう回応募する?」と尋ねた。子は考えたあと、「するよ」と答えた。娘が驚いた。「また当たるとうの?」。「分からないさ。でも、今度は自分ので引いて、当たらなければ仕方がないとえるだろう」。美津はようやく笑った。「私も、今度は余計なことしない」。は帰りの途で、並んで歩く距をしだけ縮めた。
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