"一等くじの切れ目" 第18話
しい抽選は、簡単には始められなかった。昨の補助券はくの客が使い切っていて、元に残っていない。誰でも自由に応募できるようにすれば、元の福引券を集めたたちが納得しない。主の証言だけで認めれば、りいばかりが利になるかもしれない。片桐は何度もを破り、全員が確認できる応募方法を作り直した。子は度、買い物帳を持っているでは記録が残っているのではと提案したが、帳面をつけない庭もかった。
最終に、度でも歳末福引に参加したは、そのに受け取った半券や買い物控え、または商会が配った引換印の記録をもとに申請することになった。証拠がないは、軒以の協賛主が買い物や抽選参加を確認したも受け付ける。審査するのは片桐と、もとの当選指定に関わっていない主。申し込みは世帯回、抽選札には名をかず番号を振る。方法をにいて掲示し、参加希望者にはそので読んで聞かせた。苦はなお残ったが、なくとも隠れた印はなかった。
子は申込の、子供たちと緒に会へった。美津は母の代わりに並ばず、しれた所で待っていた。応募用には『田子』とき、番号のついた控えを受け取った。これだけのために、どれほど回りしたのだろう。
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子は自分でも呆れたが、元のは以の等くじより軽くじた。そこには誰かの秘密も、誰かを騙す目印もない。
しかし町の々のは、簡単には静まらなかった。「再抽選でも田のが当たったら、また同じことだ」。端でそう言うがいる。「いちばん必なのは田さんなんだから、最初から渡せばいい」と言うもいた。どちらの声も子を疲れさせた。もし当たっても、当たらなくても、誰かの気持ちにわせて結果を変えろと言われる。福引が、気の毒なを選ぶ会になってはいけないと、子は改めてった。
その頃、真は松葉堂で帳面のつけ方を教わり直していた。久蔵は以よりをかけ、受け取ったとしたに必ず付をつけるよう言った。は面倒そうな顔をしたが、途で「はこれを忘れてた」と自分から気づくこともあった。商の会計を伝った片桐は、真に「を折るのはい。今度はそのにいてあることを確かめるになれ」と言った。は初めて、自分が将来もこの町で働くことを考えられるようになった。
応募の最終、古い福引半券をなくしたという老婆が会へ来た。彼女は毎朝たねので豆腐を買っており、商主たちもその顔をっている。しかし軒目の証言がなかなか集まらない。
たねは「私の言うことだけで分だろう」と言いかけて、を閉じた。決めたばかりの規則を、自分の気持ちで変えてはいけない。しばらくして乾物のが帳面を持って現れ、老婆が末に買い物をした記録を見せた。応募が認められると、老婆はくをげた。さな来事だったが、見ていたの表がしるくなった。
の終わり、抽選はに決まった。洗濯は川器が代を払い終え、商会へ正式に納めた。展示台へ運ばれてきた品を見て、子はわず笑った。クリスマスのに見たあのい洗濯だった。見た目は何も変わらない。だが今度は、誰ので買い、誰へ渡せる品なのかがはっきりしていた。
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