"一等くじの切れ目" 第20話
抽選から週が過ぎても、子のの朝は急に楽になったわけではない。洗濯板は相変わらずたく、栄の仕事も元通りには戻っていなかった。だが以と違ったのは、朝のたらいの周りにがいることだった。正彦は薪を運び、久枝はさい物をすすぎ、修は洗濯挟みを揃える。歳の文は々靴をもう度汚し、皆に笑われた。子は子供たちのがまださいことをり、無理をさせないよう作業を分けた。
美津は学を卒業するまで所の仕事を続けると言った。以は、自分がしでもく稼いで母を助けなければと急いでいた。しかしあのの件のあと、母と話しい、学は難しくても、夜の勉を続ける方法を探すことにした。柏老は帳簿を読めるようになると仕事の幅が広がると言い、片桐から古い算術の本を借りてくれた。美津はを折るを止め、数字をつずつき写し始めた。
方、岩崎は商会を退いた。を閉めたわけではなく、呉の商売は続けていたが、会のをで扱う役かられた。商会はしく会計係を置き、に度、費用の細を確認することにした。これですべてのがうまくいくわけではない。町のきなとの競争は続き、には閉を決めたさな雑貨もあった。
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ただ、福引をきく見せれば客が戻るという考えだけは、誰も以ほど信じなくなった。
の終わり、川器の主が子を訪ねた。彼は洗濯のさな冊子を持っていた。「抽選にはれましたけど、いつか買うの参考になれば」。子は値札を見て目を丸くした。料からしずつ貯めても、すぐには届かない額だった。しかもには洗濯を置く所がない。共同井戸からを運ぶだけではりず、気の配線も見てもらわなければならない。商品を買うだけでなく、使える暮らしをえるも必なのだ。
「昔の私なら、買えるかどうか考えるに当たりを願っていました」と子は言った。川はをげた。「あのは、のことばかり考えていました」。子は冊子を閉じて返した。「もう謝ってもらうだけでは困ります。買うは、きちんと値段と事の費用を教えてください」。川は初めてし笑い、「そうします」と答えた。ので、商売と客の関係がほんのし変わったようにじられた。
子が仕事の依頼を受ける、相のへ度ってみた。古い寝具ときなシーツが積まれており、度に全部を洗えば自分のの洗濯が回しになると分かった。以なら頼まれるまま引き受け、へ帰ってから夜更けまで働いただろう。
今度は週に何枚までかを決め、のの受け渡しも相談した。相の女性はしそうにしたが、「その方がです」と言った。自分の仕事をきちんと数えることが、必ずしもたいわけではないと子はじた。
がづくと、隣町から子にしい洗濯の仕事が入った。病気の母親を抱えるで、週に度、シーツやきな布を洗ってほしいという頼みだった。子は引き受けるに仕事量と代をにき、相にも確認してもらった。川から借りた冊子の裏へ、貯の目標額をいた。美津がそれを見て言った。「お母さん、もうを事にしてるんだね」。子は笑った。「事なのは、のに本当のことをくことだよ」
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