みかん小説
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"消された十六番目の席" 第14話

受話器越しの徹な宣告

「……輔ですか」 私の落ち着き払った声に、話の向こうの輔は瞬言葉を失い、それから激しく取り乱して叫んだ。 『母さん! みんな配してるんだぞ! どうして黙っててったんだよ! 昨の夜、のがどれだけ変だったか分かってるのか!?』

「変?」 私は元に置いてあった帳をいた。幹線の内で、あのあの言われた言葉を字句き留めたページだ。 「輔、あなた昨、玄関で何て言ったかしら。『母さんの席ないから留守番で』『寿司なんていつでもえるし』……そう言ったわよね」

『そ、それは……! 悪かったよ! 言い方が悪かったのは謝るから! だからく帰ってきてくれよ!』 「どうして私が帰らなければならないの?」 私の淡々とした問いに、輔は面らったような声を漏らした。 『どうしてって……母さんのだろ!?』

「母さんの?」 わず、乾いた笑いが唇から零れた。 「議ね。この、あなたたちから『母さんの』なんて言葉、度も聞いたことがなかったわ。あそこは、あなたたちが私を引き取って面倒を見てあげているで、にあなたたちがおをしてリフォームしたで、私は内ですらない居候だったはずでしょう?」

『ち、違うんだ母さん! 全部、麻美が……!』 「麻美さんのせいにするのはおやめなさい」 私の声が、段く徹に響いた。

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「麻美さんが台帳から私の席を消したとしても、昨、私の目ので『留守番でいい』と言い放ったのは、でもないあなたよ。息子のあなたが、父親のいのから私を追いしたのよ」

話の向こうで、輔がヒュッと息を呑む音が聞こえた。 『吉川の……台帳のこと、ってるのか……?』 「ええ。将から全部聞いたわ。……輔、もう言い訳は結構です。あなたたちには、切な『内』がいらっしゃるのでしょう? 泊まっているお客様のお世話も、お布団の片付けも、すべてあなたたち夫婦でやりなさい」

『ま、待ってくれよ母さん! 昨のたち、まだリビングにいるんだぞ! 朝飯もどうしたらいいか分からないし、シーツがどこにあるかも誰もらないんだ! 川のお義父さんも激してて、俺、どうすればいいか……!』

「りません。あなたたちが招いたお客様でしょう。歳にもなったの男が、自分ののシーツの所つ分からないのを、母親のせいにするんじゃないわ」 私は帳を静かに閉じた。 「私はの曜、午に度だけに戻ります。事な話があるから、麻美さんとで必ずにいなさい」

『事な話って何だよ!? って、誰が来るんだよ!?』 「そのに分かります。それまで、度と話をかけてこないでちょうだい」

ツーツーツー……。 私は通話を切断し、画面を伏せた。

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指先が微かに震えていたが、胸の奥底にあった迷いは、完全に消えっていた。

台所から戻ってきた姉の照代が、湯呑みにしいお茶を注ぎながら、静かに私を見つめた。 「……言えたじゃない、かず子」 「ええ。言えたわ、姉さん」 「よくやったわよ。分、溜め込んできた毒を、全部吐きしてやりなさい。ここはあんたのでもあるんだから、いくらでも甘えなさい」 姉の優しい言葉に、私はく頷いた。

そのの午、私は帳に挟んであった名刺を取りした。 【ひかり産 営業部チーフ 野】 半の、夫の周忌が過ぎた頃に度だけ相談に訪れた、駅の産会社だった。 私は迷わず、名刺の裏にかれたアドレスへ、本のメールを送信した。

『ひかり産 野様。 昨にご相談申しげました、田です。 自宅の売却の件、正式にめたくじます。 つきましては、曜の午に、現査定にお越しいただけないでしょうか――』

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