みかん小説
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"大家だった姑の逆転" 第1話

歳の息子が連れてきた嫁

「結婚しようとうんだけど。彼女は、ここで母さんと緒に暮らしたいって言ってるんだ」

夕のあと、湯みにお茶を注いでいた私のが止まった。驚いた理由はつあった。つは、今歳になる息子が、つい数かまで「俺にはもう結婚なんて縁がないよ」と苦笑していたのに、突然そんな話を切りしたこと。もうつは、今どき珍しく、相の女性のほうから姑との同居を望んでいるということだった。

私と息子は、いあいだこのLDKの部で暮らしをしてきた。夫は息子が学にがる、仕事の無理がなってくなった。それから私は、昼は、夕方からは事務の仕事を掛け持ちし、活を守るためにで働いた。息子も子どもなりに事を理解していたのだろう。私が遅くなるはご飯を炊き、噌汁を温め、洗濯物まで畳んで待っていてくれた。

社会になってからも、息子はをなかった。「母さんをにするのが配だから」と言ってくれたは、うれしい反面、申し訳なさもあった。自分のを優先してほしいといながら、その優しさに甘えていた部分もあったとう。だから結婚の話を聞いた瞬、私はの底から祝福したいとった。

「私のことは気にしなくていいのよ。

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婚なんだから、で暮らせる部を探したら?」

そう言うと、息子はし困った顔をした。「いや、彼女のほうが緒に暮らしたいって言ってるんだよ。母さんが今まで苦労した分、自分も力になりたいって」。その言葉を聞いても、私はすぐにはうなずけなかった。理由は、嫁姑という関係そのものに、消すことのできない苦い記憶があったからだ。

結婚したばかりの頃、私は夫の実で義両親と暮らしていた。義母は私が何をしても気に入らず、噌汁がい、洗濯物の干し方が悪い、起きるが遅いと毎のように言を言った。義父も「嫁なんだから」と事を押しつけ、私はもたたないうちにともに疲れ切り、布団から起きがれなくなった。それでも義母は襖をけ、「寝ている暇があるなら台所にちなさい」と私を起こそうとした。

見かねた夫が私を守り、義両親との同居を解消してくれた。「俺たちの庭は俺たちで作る」と言ってくれたあのの背を、私は今でも覚えている。引っ越しの、義母は最まで「事な息子を奪うなら、あんただけていきなさい」とっていた。だから私は、どれほど最初は仲良く見えても、同士がひとつ根ので暮らせばが積みなることをっていた。

数、息子は結婚を考えている女性をに連れてきた。

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玄関にった彼女は、像していたよりずっと若かった。聞けば代半。息子よりかなりで、緊張しているのか、何度もをげて「初めまして。よろしくお願いします」とさな声で言った。

息子は自教習所の指導員をしていた。彼女は以、その教習所に通っていた徒だったらしい。「ほかの先は厳しかったんですけど、彼だけはいつも優しくて。気づいたら好きになっていました」。彼女がそう話すと、息子は歳とはえないほど顔を赤くした。その様子を見ているうちに、私は胸の奥が温かくなった。

「同居したいって聞いたけど、本当に無理しなくていいのよ。しい部を借りるなら、私もしくらい協力できるから」

私がそう言うと、彼女は驚いたように顔をげ、すぐに首を横に振った。

「いいえ。お母さんがよければ、ぜひ緒に暮らしたいです。これまで頑張ってこられた分、私も力になりたいんです」

あまりにまっすぐな言葉だった。私は、自分の過の苦労ばかりをねて疑っていたことが恥ずかしくなった。この子なら、もしかしたらうまくやっていけるかもしれない。そうい、私は最に度だけ「本当にいいのね」と確かめた。

彼女は笑ってうなずき、息子もほっとした顔をした。

そのの私はまだらなかった。

彼女がこので欲しかったのは、私との穏やかな暮らしではなかったことを。

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