"離婚翌日、父と食事中の私を「また金持ちに寄生か」と笑った元夫の末路" 第9話
婚しても消えないもの
「何だよ、それ」
亮介の声がかすれた。
私は写真を枚ずつ並べた。
腕を組んでホテルへ入る。
張先で観を歩く。
肩を寄せってへ乗り込む。
さらに、が社内チャットで交わしていた親密なやり取りの記録もあった。
「濡れだ」
亮介が言った。
「これのどこが?」
「仕事で緒にいただけだ」
「ホテルも?」
「張だよ」
「休に?」
返事が止まった。
瑠菜も顔を青くしている。
私は静かに続けた。
「母がパパに相談してくれたの。私たち夫婦の様子がおかしいって」
父の会社と亮介の会社には仕事のつながりがあったため、社内の評判を確認するのは難しくなかった。
するとすぐに、亮介と瑠菜の噂がてきた。
本たちは隠しているつもりだったようだが、周囲にはかなりられていたらしい。
さらに専へ依頼して確認した結果、決定な証拠が揃った。
「だから昨、婚しようって言われても驚かなかった」
亮介が私を見る。
「最初から俺を嵌めるつもりだったのか」
「違うよ」
私は首を振った。
「倫しているがいたから、事実を確認しただけ」
「湿だな。女って本当そういうところあるよな」
そこまで来ても、亮介は自分の為ではなく、調べられたことを責めた。
私は笑った。
「亮介、さっき言ったよね」
「何を?」
「婚しても、浮気してた罪は消えないって」
広告
ホテルで私と父の関係を勝に誤解した、亮介自がそう言っていた。
「本当にその通りだとう」
私は写真を指で押さえた。
「婚したからって、婚姻にしたことが消えるわけじゃないよ」
亮介の頬が引きつった。
しかし数秒すると、また例の理屈っぽい表へ戻った。
「静に考えろよ」
「何を?」
「俺のプライベートと仕事は別問題だ」
父の方を向いた。
「鈴社。実の娘がいのは分かります。でも倫とプロジェクトは別でしょう。個なで数億規模の取引を止めるなんて、経営者としてどうなんです?」
瑠菜もすぐ同調した。
「そうですよ。私たちの関係で会社に迷惑をかけたわけじゃないですし」
「奥さんには悪かったといますけど」
悪かったとっている顔ではなかった。
亮介は勢いづいた。
「そもそも夫婦関係がうまくいかなかった原因は綾乃にもあります」
そして事の話、の話、妊娠の話まで持ちした。
「俺は綾乃より収もかったし、労働もかった。なのに事が辛いとか言われて。俺だって疲れてるのに」
私が麻婆豆腐の素を使ったことまで、再び持ちした。
「俺はどれだけ抜きされても責めなかったんですよ」
父は黙って聞いていた。
亮介はそれを「自分の見が通っている」と勘違いしたらしい。
「妻として努力しなかったから、俺はに癒しを求めた。
全部俺だけの責任ですか?」
い演説が終わった。
父は腕を組んだまま、さく息を吐いた。
「それだけですか?」
亮介が頷く。
「では、私からもつお話ししましょう」
父の声が変わった。
「私は娘の倫問題だけで、あなたを担当からそうとしているわけではありません」
亮介の顔が初めて、本当ので張った。
広告
おすすめ作品
-
完結第20話
高熱の娘を置き去りにした姉は、私の夫と不倫旅行中だった
結婚五年目の美和は、実の姉・麻里奈から生後十一か月の姪を十日間預けられる。ところが、姉が海外旅行へ出発した直後、幼い心ちゃんの容態が急変。必死に救急搬送する美和だったが、姉にも出張中の夫にも連絡がつかない。不審に思って姉のSNSを調べると、南国の写真に写り込んでいたのは、見覚えのある夫の腕時計だった。怒り|夫婦|親子関係|不倫1.8万字5 0 -
完結第10話
泥の作業着と誇り
高校卒業から十七年ぶりの同窓会。咲は、夫が農家だと話した途端、華やかな暮らしを自慢する同級生のレナから大勢の前で笑いものにされてしまう。「泥だらけの旦那なんて恥ずかしくないの?」心ない言葉に傷つきながらも、咲は「世界一自慢の夫よ」と言い返した。やがて、仕事帰りの夫・大地が泥のついた作業着で迎えに現れると、再び嘲笑が巻き起こる。しかし次の瞬間、幹事の西村が顔色を変え、夫に向かって深々と頭を下げた。誰も知らなかった大地の本当の姿が、少しずつ明らかになっていく。人生逆転|夫婦|真相|第二の人生|修羅場1.7万字5 0 -
完結第21話
赤ペンで消した夫
四十一歳の黒沢洋子は、出版社で腕を認められるベテラン校正者。編集長として出世した夫・和也を支え、七年間、穏やかな結婚生活を送ってきた。ところがある夜、夫から頼まれた若い女性作家の原稿に、見覚えのある文章を発見する。それは、かつて夫が洋子だけに囁いた愛の言葉だった。疑念を抱いた洋子が調べ始めると、原稿の裏には夫の不倫だけでは済まない重大な秘密が隠されていた。やがて和也は、女性作家との十日間の執筆合宿へ出発する。何も知らず帰宅を楽しみにする夫に、洋子は静かに最後の準備を進めていた。夫婦|真実|修羅場|不倫2.3万字5 7 -
完結第10話
産後七日目の決別
帝王切開からわずか七日。傷の痛みと貧血に苦しむ真帆に、夫の直人は「産んだ人が自分で育てればいい」と冷たく言い放った。生まれたばかりの娘を守るため、真帆は実家へ避難する。ところが直人と義母は、彼女を「産後うつで勝手に家出した妻」に仕立て上げ、親族に嘘を広め始めた。追い詰められた真帆は弁護士に相談し、あの日の暴言が記された助産師の記録を手に入れる。そして、夫の勤務先から届いた一通の回答書が、直人の主張を根底から覆そうとしていた――。夫婦|裡の顔|修羅場|不倫1.9万字5 12