"高熱の娘を置き去りにした姉は、私の夫と不倫旅行中だった" 第2話
の夫と夜の異変
「ちゃん、丈夫よ……おばちゃんがついてるからね……」 私は震えるでリビングへと戻り、ちゃんをベビーベッドへ寝かせた。すぐに体温計を脇に挟み込む。子音が告げた数値は、度分。 かの乳幼児にとって、極めて危険なだった。
私はすぐに蔵庫から氷枕と却シートを取りし、さな額と脇のをやした。 そして、スマートフォンを握りしめ、夫である秀(ひでき・歳)の番号をタップした。
秀は堅商社に勤めるサラリーマンで、私とは結婚目になる。 温で真面目な夫――そう信じていた。だが、昨夜、姉から「、を預かってほしい」と相談された際、秀が見せた解な態度が、私の胸にさな棘となって刺さっていた。
『そうか、変だな。でも俺、からちょうど方張なんだよ。から急に言われてさ。はを空けるから、の世話は伝えないぞ』
困惑する私に対し、夫はどこかの空で、荷造りをしながらそそくさと目を逸らしていたのだ。 ちゃんは夫によく懐いていた。だからこそ、夫がいればかったのだが、「仕事なら仕方がない」とそのは自分を納得させていた。
プルルル……プルルル……。 呼びし音が回以鳴り響いた、無質な械音声が「波の届かない所にあるか、源が入っていないため……」
広告
と告げた。 (張の移かしら……に乗っているの?) 胸騒ぎを覚えながらも、私はすぐに実の母へ話をかけた。
『もしもし、美? どうしたの、こんな朝くに』 受話器越しに聞こえる母の声に、私の張り詰めていた糸がわずかに緩んだ。 「お母さん、お姉ちゃんが……ちゃんをうちに押し付けて、旅にっちゃったの。しかもちゃん、度分もがあって……」
『なんですって!? あのバカ娘、またそんな無責任なことを……!』 母の声が響く。母もまた、婚に娘の育児を放棄して遊び歩く姉に、幾度となくを落としていたのだ。 『美、すぐに所の児科へ連れてきなさい。もしががらなかったり、様子がおかしかったら、迷わず救急を呼ぶのよ。私もパートが終わったらすぐそっちに向かうから!』 「うん、わかった。ありがとう、お母さん」
母の助言に従い、私はすぐに所のかかりつけの児科クリニックへちゃんを連れてった。 医師の診断は「突発性発疹、あるいは邪の初期症状」。解用の座薬と腸剤を処方され、「今夜が峠ですから、分補を怠らず、異変があればすぐに総病院の救急来へ」と告げられた。
帰宅、座薬を入れて分を含ませると、ちゃんはし落ち着いたのか、浅い寝息をて始めた。 私はベッドの脇に子を置き、もすることなく、額のタオルを替え続けた。
しかし、夜のを回った頃。 それまで静かに眠っていたちゃんの体が、突然ビクンときくねがった。 「……ちゃん!?」 覗き込んだ私の界にび込んできたのは、唇をに変させ、両目を方に吊りげ、全の筋肉を直させて激しくガクガクと痙攣する、幼子の変わり果てた姿だった。
広告
おすすめ作品
-
完結第20話
「息子が高熱なのに来い!」夫一家に185万円の請求書を押しつけられた私の正体
夫と義家族から「何もできない専業主婦」と見下され、金銭まで搾り取られてきた松岡美央。しかし彼女には、世界的なホテルグループの最高責任者という、誰にも明かしていない秘密があった。ある夜、高熱を出した息子を看病していると、義母から三十件以上の着信が届く。「緊急事態だから今すぐ来なさい!」慌ててホテルへ駆けつけた美央を待っていたのは、豪華な食事を楽しむ夫一家と、185万円もの請求書だった。裡切られた|怒り|嫁姑|夫婦|親子関係|修羅場2.6万字5 0 -
完結第10話
元夫に投げつけられたカード、残高は一億五千万円
「もう二度と、俺の前に現れるな」離婚の日、夫の大地に冷たく突き放され、ひな子は六歳の息子とともに家を追い出された。渡されたのは、養育費を振り込むという一枚のキャッシュカードだけ。ひな子はそれを封印し、工場で働きながら必死に息子を育ててきた。三年後、口座を解約するため銀行を訪れると、なぜか支店長自らが現れ、特別応接室へ案内される。通帳に記されていた残高は、なんと一億五千万円。さらに差し出されたのは、元夫の筆跡で「ひな子へ」と書かれた一通の封筒だった。あの日の冷酷な離婚には、誰も知らない秘密が隠されていた――。夫婦|真実|第二の人生|金銭問題|熟年離婚1.6万字5 0 -
完結第18話
「片親の貧乏人」と息子を叩いた社長、母の正体を知って絶句
結婚の挨拶から帰宅した息子・祥太の頬には、くっきりと平手打ちの跡が残っていた。婚約者の父親から「片親の貧乏人」と罵られ、結婚まで白紙にされたという。二十五年間、女手一つで息子を育ててきた桃江は、静かに電話をかけた。実は彼女は、父の急逝を受けて大企業の社長に就任したばかり。しかも相手の食品会社は、長年その企業との取引に支えられていた。桃江の正体を知り、突然態度を変える婚約者一家。しかし、亡き父が残した調査記録には、結婚騒動をはるかに超える重大な秘密が隠されていた。因果応報|親子関係|修羅場2.6万字5 0 -
完結第10話
泥の作業着と誇り
高校卒業から十七年ぶりの同窓会。咲は、夫が農家だと話した途端、華やかな暮らしを自慢する同級生のレナから大勢の前で笑いものにされてしまう。「泥だらけの旦那なんて恥ずかしくないの?」心ない言葉に傷つきながらも、咲は「世界一自慢の夫よ」と言い返した。やがて、仕事帰りの夫・大地が泥のついた作業着で迎えに現れると、再び嘲笑が巻き起こる。しかし次の瞬間、幹事の西村が顔色を変え、夫に向かって深々と頭を下げた。誰も知らなかった大地の本当の姿が、少しずつ明らかになっていく。人生逆転|夫婦|真相|第二の人生|修羅場1.7万字5 14 -
完結第18話
離婚翌日、父と食事中の私を「また金持ちに寄生か」と笑った元夫の末路
結婚生活のすべてを一円単位で折半しながら、家事だけは妻に押しつけていた夫・亮介。「お前は寄生虫だ」と離婚を突きつけられた綾乃は、静かに別れを受け入れた。 その翌日、実父と高級ホテルで食事をしていると、偶然現れた亮介と不倫相手が「もう次の金持ちを捕まえたのか」と嘲笑する。因果応報|夫婦|真実|金銭問題|修羅場|不倫1.9万字5 25 -
完結第21話
赤ペンで消した夫
四十一歳の黒沢洋子は、出版社で腕を認められるベテラン校正者。編集長として出世した夫・和也を支え、七年間、穏やかな結婚生活を送ってきた。ところがある夜、夫から頼まれた若い女性作家の原稿に、見覚えのある文章を発見する。それは、かつて夫が洋子だけに囁いた愛の言葉だった。疑念を抱いた洋子が調べ始めると、原稿の裏には夫の不倫だけでは済まない重大な秘密が隠されていた。やがて和也は、女性作家との十日間の執筆合宿へ出発する。何も知らず帰宅を楽しみにする夫に、洋子は静かに最後の準備を進めていた。夫婦|真実|修羅場|不倫2.3万字5 38