みかん小説
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"消えた十一丁の鍬" 第13話

ひびの入った板

翌朝、のくにはの男も女も集まっていた。板の隙からが吹き、古い柱が々く軋む。徳兵は板の状態を見て、「しい具だけでは駄目だ。が腐っている」と言った。信はの仮の支えがれた所を確かめ、の組み方から変えなければならないと考えた。父子はを揃えて、きなが来るにをざけるよう頼んだ。

槻はの林から材を切りす案をした。しかし仕事のできる男はなく、材を運ぶもで荒れている。本は役で調達の見込みを確認すると約束したが、今使える材はてこない。信は父の鍛冶に残る材と、納の板で臨の支えを作ることを提案した。「丈夫なが来るまでの仮の物だと、皆に分かるように印をつけます」。全な物だと偽って使うことはできなかった。

昼、田かららせが届いた。町の荷の軸について、回収先との相談がみ、修理材として譲り受けられる見込みがたという。ただし、代わりの属を集め、受け渡しの確認を済ませなければならない。信はの々を回るためにりそうとしたが、徳兵が呼び止めた。「材が来ても、こののを直さなければがない。おは役の本とを探せ。鉄はわしが話をつける」

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信は父がまた独断で決めるのではないかとになった。徳兵はその線に気づき、し腹をてたように眉をひそめたが、すぐに言い直した。「何を集めるか、誰の物か、聞いてからく。それならいいだろう」。信はうなずき、の役割を母のお勢にも伝えた。の仕事にの者が関わる以、父子だけで引き受けたふりはできない。お勢は具の持ち主へ連絡するを探してくれた。

父に任せるのが怖かった。父はにも善い結果を急ぐあまり、の鍬へをつけたからだ。信が迷っていると、お勢が言った。「で決めないと、今は皆ので約束してもらえばいい」。徳兵は面倒そうに眉を寄せたが、佐代と弥助ので、品の持ち主を確かめてから集めると言した。信は初めて、父を信用するということが、何も聞かずに任せることではないと分かった。

夕方、れの古い物置から太い梁が見つかった。使っていない建物の持ち主は、を無償で譲る代わりに、物置の解体を伝ってほしいと申した。健たちは速作業へ向かい、女たちが縄を準備した。徳兵も伝おうとしたが、の首が痛み、い物を掴めない。信は「炉のほうを頼む」と父を鍛冶へ戻した。

ところが夜、物置の梁を見た信は首をかしげた。太さは分なのに、切りの部が黒ずんでいる。

の入る所にく置かれ、内部が傷んでいるのだろう。「これをそのままへ使うわけにはいかない」。せっかく々が運んだ材でも、使わないという判断が必だった。信は徳兵にそう告げると、父は瞬黙り、「なら、使える部分を切りせ」と答えた。

はく切ったを並べ、継ぎ方を変えた。きな本で支えるのではなく、数本を組んで荷を分ける。徹夜にい仕事の末、ようやく形が見えた頃、お勢が鍛冶に朝の粥を運んできた。「まだ終わらないの」と聞かれ、徳兵は「使えると分かるまで終わらん」と答えた。以なら言わなかったはずの言葉だった。

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