"「片親の貧乏人」と息子を叩いた社長、母の正体を知って絶句" 第17話
「社の娘」ではなく、私自として
社になって半が過ぎた。
最初の頃は、どこへっても「先代の娘さん」と呼ばれた。
当然だとっていた。
父はく会社を率いた。
私はまだ、そのろにっているだけのだった。
ところがしずつ変化が起きた。
取引先から直接相談を受けるようになり、現の社員からも見を求められる。
以なら父へ向けられていた言葉が、私へ向けられるようになった。
ある会議の、古参社員が言った。
「社、先代と判断の仕方が似ていますね」
「そうですか?」
「ただし、社の方がししつこい」
わず笑ってしまった。
「褒めてます?」
「もちろんです」
父の真似をするつもりはなかった。
同じにはなれない。
父には父のやり方があり、私には私のやり方がある。
それでも、父から受け継いだものは確実に残っている。
仕事だけではない。
を見る、肩よりそののを見ること。
助けてもらった恩を忘れないこと。
度信頼した相でも、問題があれば目を背けないこと。
若菜の父親は、その逆をした。
を柄で判断し、自分よりだとえば侮辱し、だと分かった途端に態度を変えた。
岡も、役職や位への執着から越えてはいけない線を越えた。
あの騒は私にとって、社として最初のきな試験だったのかもしれない。
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「桃、また考え事?」
母に声をかけられ、私はに返った。
今は久しぶりに実へ来ている。
父が使っていた斎を片付けるためだ。
棚から古いアルバムがてきた。
そこには幼い祥太を肩する父の写真があった。
「お父さん、祥太を本当にがってたわね」
「うん」
「片親だからなんて、度も言わなかった」
母の言葉に、胸がくなった。
父も母も、夫をくした私を助けてくれた。
でも決して「な娘」として扱ったわけではない。
困っているにを貸し、私が自分でてるよう支えてくれた。
だから私は働き続けられた。
祥太も自分のを選べた。
「お母さん」
「何?」
「私、ちゃんと恩返しできたかな」
母は驚いた顔をした。
「何言ってるの?」
「お父さんにも、お母さんにも、助けてもらってばかりだったから」
母は呆れたように笑う。
「親が子供を助けるのに、いちいち返してもらおうなんてわないわよ」
「でも」
「それに、もう分返してもらってる」
「何を?」
「祥太をあんな良い子に育てたでしょう」
私は言葉を失った。
母はアルバムの写真を撫でながら続けた。
「お父さんも同じこと言うとうわ」
涙がそうになり、私は慌てて顔を逸らした。
そのの帰り、祥太からメッセージが届いた。
《今度の曜、そっちっていい?》
《もちろん》
《唐揚げべたい》
わず笑った。
歳にもなって、そこは昔と変わらない。
私は帰宅すると、蔵庫をけた。
鶏肉があるか確認する。
族の常とは、こういうさなことの積みねなのだろう。
誰かの会社がきいとか。
収がいくらとか。
片親か両親揃っているかとか。
そんな条件だけでは決して測れない。
私はようやく、今回の来事をしれた所から振り返れるようになっていた。
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