"昭和46年、優勝した妻に夫が告げた「帰るな」" 第10話
主婦らしい写真
の初め、子の教に雑誌の取材が来ることになった。きっかけは会の記事を読んだ編集者からの話だった。「主婦が町内会で優勝して、今度は仲に教えているそうですね」。取材を受ければ、教をるも増えるだろう。栗田もの宣伝になるとんだ。子は参加者全員へ取材の否を尋ね、写りたくないは別のに練習できるよう調した。
当、編集者が持ってきた写真の見本には、エプロンをつけた若い主婦が球を持ち、横で子どもが笑っている姿が載っていた。「こんな雰囲気にしたいんです」。子は首を傾げた。「エプロンで投げるんですか。裾がに絡むと危ないですよ」。編集者は「撮るだけです。庭の奥さんが頑張ってるってじがますから」と笑った。子は教の全規則をいたを指さした。
「事をするが、事の格好のまま来るところやありません。今はみんな、投げやすいで来てます」
編集者は困った顔をした。掲載の条件だと言われ、栗田も子に折れてほしいと目で図した。だが子は、最初の会で信夫に言われた「のことを済ませてから遊べ」という言葉をいした。エプロンが悪いのではない。ボウリングをするまで、事の延として見せられることが嫌だったのである。
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代わりに子は、球を選ぶの真剣な顔や、失敗して笑いう面を撮ってほしいと頼んだ。編集者はしばらく考え、写真に「まず普通に練習してもらいましょう」と言った。結果として、澄子が初めてスペアを取った瞬の写真が番よく撮れた。さく拍する子と、驚いた澄子の顔が並んでいた。
取材の途、写真は初枝にも球を持ってもらおうとした。初枝は「顔を写さんといてください。職でまたからかわれます」と頼んだ。子はそので、ろ姿だけならどうかと本に確認した。初枝は自分の元を見てから「それなら、今の靴が見えるようにして」と言った。昨初めて自分にうを選べたのが、し誇らしかったのである。写真はしゃがみ込み、球と靴と助の線を画面に収めた。子は、顔を見せたくないにも残したいものがあるのだとった。
取材、栗田はをにした。「せっかくの掲載話がさくなったらどうします」。子は「それなら仕方ありません」と答えた。し無理をすればもっと目てることは分かる。しかしの名を勝に使われたばかりである。宣伝のために徒の姿まで好きにされるわけにはいかなかった。
その夜、由美が学から持ち帰った美術の作品を見せた。商の催しをらせるポスターだった。
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子は「きれいなやね」と褒めたが、由美は浮かない顔をした。「卒業したら、阪のデザイン学で勉したい」。父にはまだ言っていないという。信夫は娘がをたら堅実な会社へ勤め、数したら結婚するものとっていた。
「母ちゃんは、どうう」
子はすぐには賛成と言えなかった。教を始めたばかりで、学費を伝える見込みはない。由美の言葉に「好きなことをしなさい」とだけ答えるのは簡単だが、その先に必なとは娘が背負うことになる。「どんな学があるか、緒に調べよう。学費も、入るための作品も」。由美はうなずき、自分のポスターを壁へてかけた。
雑誌の記事は週に載った。子は誌面をいて驚いた。エプロン姿ではなく、澄子がピンを倒した瞬の写真が使われていたのである。しかしその横には、見覚えのない見しがあった。「事のにできる婦の運」。子はし笑ってしまった。世の言葉を度に変えるのは、なかなか難しいらしい。
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