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"昭和46年、優勝した妻に夫が告げた「帰るな」" 第12話

満員のレーン

に入ると、あさひボウルは連混雑した。仕事帰りの若者や会社の仲、夫婦連れが受付で順番を待ち、曜には入まで列ができた。栗田は忙しさにぶ方、教へ割くが惜しくなっていた。子の教はの評判をよくしたが、参加費がく、レーンの回転も遅い。般客を入れた方が売はきい。

「来から、いまの料では貸せません」

事務でそう告げられ、子は息をのんだ。値げは割や割ではなかった。会費を払うだけで、教の参加費の半が消えてしまう。青柳が「奥さんたちは平の客がないを選んでます」と言うと、栗田は「それでも全体の経費はがってる」と答えた。支配自、族と従業員を抱えているのである。

子は栗田に、実際にどのに客が集まるのかを尋ねた。平の午も以より混み始めているが、夕方のほどではない。は械の備を定期にい、働くの料も払わなければならない。栗田が枚の支払細を見せると、子は初めて、球を投げていないにものがかかっていることを理解した。譲ってもらうばかりでは続かない。料を払える仕組みを自分たちで用しなければならなかった。

子は帰宅せず、商のを軒ずつ回った。

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京子の百、澄子の品、由美が々伝う文具。何か景品をしてもらえる催しを考えたのである。だが商主たちは末の売を気にしており、無償での協力は難しい。京子は「を経営するの気持ちは分かる。くしてほしいだけでは話にならへん」と言った。

子は栗田へ再び会いにき、値げ分に見う客を連れてくると提案した。教の参加者だけでなく、族や友を招く公練習会をく。参加者は決められた料を払い、教のは受付や案内を伝う。それなら側にも利益がある。栗田は「数だけ約束されても困ります。何来るか、当に分からんでしょう」と慎だった。

相談の席で、信夫の会社の貸切会が話題になった。会社からの予約料は確実に入る。子の教は候や庭の事で数が変わる。栗田はつを比べているのではなく、商売を続けるために確かな収入がほしかった。子は初めて「私たちの好きなをください」と頼むだけではりないと悟った。

その週の教、子は値げの話を皆に伝えた。何かは「くなるならやめます」と言った。無理に引き留められない。たみがを挙げた。「見学のもし払うなら、私も払えるよ。投げへんから無料でええっていうのは、考えてみたらおかしいね」

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。子は驚いた。たみは練習を見ながら、靴を揃えたり順番をらせたりしていた。ここに来ること自体を楽しみにしてくれているのである。

京子は「公練習会より、みんながしずつ違う役割を持つ集まりにしたらどう」と提案した。目標はい選をつくることだけではない。球を投げられる、受付を伝う、初めての客に声をかける。それぞれが参加できる所をつくり、の混雑するを避けてきちんと料を払う。子は自分のだけで考えた案より、ずっと現実だとじた。

帰り、子は所の喫茶で信夫と偶然顔をわせた。信夫は取引先の男と事をしていたが、妻を見つけるとちがった。「し話せるか」。子は驚いた。夫がで自分へ相談するように声をかけたのは久しぶりだった。「会社の会で使ったレーンのことやけど、栗田さんの、まだ混んでるらしいな」。子はうなずいた。信夫は初めて、妻の教を「客としてを使っているたちの集まり」と呼んだ。

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