"昭和46年、優勝した妻に夫が告げた「帰るな」" 第18話
勝負を決めたのは誰
の公会は、町のボウリング仲が初めて企画する催しになった。名目は「初者の」。優勝者を決める会ではなく、初めてのもいゲームに参加し、経験者はにできたところを緒にぶ。初枝は印刷の同僚を誘い、京子は商に案内を配った。たみは受付の机を拭き、澄子は会計の封筒を用した。子はレーンの順番表をつくり、青柳ときを確かめた。
ところが会の、参加するはずだったの半数くが来られなくなった。所で働く女性たちの勤務が急に変わり、庭の用事となったからだ。会にはすでに定額を支払っている。子は話ので座り込み、参加費のを計算した。京子が「私ので残った景品をすから、を集めよう」と提案したが、景品だけを目当てに来るへ無理な参加を勧めるわけにもいかない。
由美は「参加できるだけで、くやったらええ」と言った。子は「でも、おがりへん」と返した。娘はし考えて、「見に来るにも所はあるやろ。観客が楽しめるようにしたらどう」と言った。子はたみの顔をい浮かべた。球を投げなくても、皆が教を楽しんでいる。見学者が練習のに全な距を取れるよう、案内席を設けることにした。参加者には投球だけでなく、靴の選び方をってもらうもつくった。
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会当の朝、栗田はの入でそうに待っていた。「本当にが来ますか」。子は「分かりません。でも、来た方を事にします」と答えた。始刻になると、最初に来たのはたみの義妹だった。は球を投げずに見学席へ座り、初枝の投球を見てきな拍をした。次に族連れが組、品の常連が。予定よりないが、席はしずつ埋まっていった。
信夫と由美も姿を見せた。信夫は受付で入料を払おうとして、たみから「見学は自由ですよ。体験されるなら料いただきます」と説された。信夫は照れくさそうに笑い、「今は見に来ただけです」と答えた。子は夫に度を振っただけで、すぐレーンへ戻った。いまは参加者たちのだからである。
最初の体験で、京子が見事なストライクをした。周囲から歓声ががる。初枝は投続けて溝に落とした、投目で本を倒した。見学席では子どもが指で本数を数えている。子の順番になると、皆が静かになった。「先、優勝したの球を見せて!」。由美もへてきた。子は呼吸して球を持った。
最初の投は本。投目も残った本のうち本を倒し損ねた。誰もが残そうに声をげたが、子は笑った。「あのは、たまたま調子がよかったんです」。すると京子が「先、今は私の勝ちやね」
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と言った。参加者たちは笑いい、子も負けを認めた。勝つことだけを目標に始まったのではない会で、誰が番うまいかを決める必はなかった。
ところが午、別の参加者がさな子を連れてきたことで、事故が起きかけた。子どもがレーンへりし、投球しようとしていたの元へづいたのである。子がきな声で止め、青柳が子どもを抱きげた。幸いけがはなかった。しかし子は、見学者の全をもっと考えるべきだったと反省した。が増えることばかり考え、族連れをどう案内するか決めていなかったのだ。
閉会、子は参加者へ事を説し、次回からの見学席と案内役を決めることにした。栗田も「側の案内がりませんでした」と認め、入の配置を見直すと約束した。失敗を隠せば、また同じことが起きる。子はそこだけは譲れなかった。誰かの失敗を笑う所ではなく、失敗したに直す方法を考えられる所でありたいとった。
夜、会計をわせると、会はわずかな黒字になった。きな利益ではないが、に約束した料を払い、次の練習を続けるためのが残った。澄子が「これで契約の分が埋まります」と言うと、子はようやく肩の力を抜いた。優勝のにはトロフィーを受け取った。今の勝利にはの賞品はなく、領収が枚あるだけだった。
それが子には、同じくらい切にえた。
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