みかん小説
本棚

"義実家同居を勝手に決めた夫、私は別の新居へ引っ越した" 第6話

台のトラック

、私はゆりさんと緒にしい部を内見した。

階の角部で、向きの窓から午の差しが入る。今のマンションよりずっと狭いが、台所のにつと窓のに桜の枝が見えた。会社までは徒歩分。残業でになっても、半のとバスを乗り継ぐ必はない。

「ここなら帰ってから自分のご飯くらい作れるね」

ゆりさんがそう言った。

私は台所のさな流しを見ながら頷いた。

「この部のことは、苗さんで決めていいのよ」

ゆりさんはそう続けた。

「あなたがむんだから」

自分がむ所を自分で決める。当たりのことなのに、私はその言葉を聞いて初めて許をもらったような気持ちになった。

に入居を申し込み、に契約を結んだ。初期費用万円は、結婚から持っていた自分名義の座から払った。に鍵を受け取ったとき、そののさな鍵を何度ものひらで確かめた。

方、正吾は何も気づかなかった。

には引っ越し業者が見積もりに来ていた。

担当の矢吹さんは部を回り、蔵庫、洗濯、テレビ、ダイニングテーブル、ダブルベッドとつずつ記録していった。正吾は「全部実へお願いします」と義実の所を渡した。

見積もりの途、正吾のスマートフォンが鳴った。

広告

画面には「母」。

正吾は当然のようにベランダへていった。

そのに私は矢吹さんへ言った。

「私個の荷物だけ、別の所へ運んでもらいたいんです。費用は私が払います」

矢吹さんはし驚いたが、事を詮索することはなかった。

「承しました。ではか所配送として確認を作ります。ご主にも内容だけ確認いただきますね」

正吾が戻ると、まだ義母との話は続いていた。

私は正吾のにって言った。

「私の荷物は別の所へ送ってもらうからね。費用も私が払う」

矢吹さんも類を指さしながら説した。

「お届け先はか所になります。奥様分は所をご連絡いただきます」

正吾は義母と話しながら、空いている方のをひらひらさせた。

「はいはい。任せる」

そして矢吹さんからペンを受け取り、類のへ自分の名をいた。

き終えると控えを私へ渡した。

「こういうの、おが持っといて」

正吾は最まで内容を見なかった。

そのから私は荷物をつに分けた。

青い付箋は正吾のもの。義実き。

黄は私個のもの。しい部き。

はで買ったもの。蔵庫、洗濯、子レンジ、テレビ、ダイニングテーブル、ダブルベッド。それらはすべて正吾の希望通り、義実へ送ることにした。

何も捨てなかった。

何も持ち逃げしなかった。

広告

正吾のも仕事の類も釣り具も、箱のをつずついて詰めた。

正吾は積みがる段ボールを眺め、「おほんと段取りいいよな。助かる」としていた。

黄と青の付箋のを、度も確認しなかった。

引っ越し夜、正吾はネクタイをしながら言った。

「俺、仕事だから引っ越し頼むな」

「分かった」

「全部ちゃんと運んどいて」

私は正吾の目を見た。

「私はかないからね」

正吾はをひらひら振った。

「はいはい」

「私、何回も言ったからね」

「分かったって。全部運んどいて」

「うん」

私はそれ以何も言わなかった。

翌朝。

マンションの裏へ、本当にトラックが台やってきた。

台目には、黄い付箋の荷物が積まれていく。

台目には青と。

午、空になった部の鍵を閉めると、台目のトラックが先に発した。

私は軽自でそのを追った。

台目は正吾が決めた「居」へ。

台目は、私が決めた「居」へ。

こうして分の活は、つの所へ分かれていった。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: