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"義実家同居を勝手に決めた夫、私は別の新居へ引っ越した" 第10話

枚の作業確認

、曜。

午ちょうどに、法律事務所の会議へ正吾が現れた。

そのろには義母の睦子、さらに義父もついてきた。義父はをで送ってきたらしく、の鍵をにしたまま番端の子へ座った。

かぶりに見た正吾はし頬がこけていた。

シャツの襟には折りじわが残り、袖もしよれている。

義実での活が順調ではないことは、それだけでも分かった。

先が名刺を渡し、静かに説した。

「本は栗原苗さんの代理としてお話を伺います。正吾さんも必であれば、ご自で弁護士へ相談なさってください」

義母がすぐにを挟んだ。

「私は母親として来たんです」

「ご同席は構いません。ただ、婚についてのお話はご本同士の問題ですので、まず正吾さんから伺います」

正吾は咳払いし、私を見ないまま話し始めた。

「苗は同居を承してたんです。それなのに俺に黙って別のへった。俺が頼んだ引っ越しで勝にき先を変えたんです。業者に聞いてもらえば分かります」

すると義母が横から言った。

「嫁の方から緒にみたいって言ってきたんですよ。それなのに急に逃げして。こんな恩らずな話あります?」

先はの言葉をき留め、それから顔をげた。

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「おのお話が違いますね。正吾さんは、苗さんが同していたとおっしゃる。お母様は、苗さんから頼んできたとおっしゃる」

義母のが止まった。

正吾は焦ったように声をめた。

「とにかく、ていったのはそっちです」

「では、その点から確認しましょう」

先は私のスマートフォンを机の央へ置いた。

。

《私は同居には同していません。私はきません》

正吾の返信。

《もう母さんたちに言っちゃったんだから今さら無理だって》

。

。

。

。

。

。

。

。

先はつずつ付と内容を読みげた。

全部で回。

正吾は途から元を見たままかなくなった。

やがて、苦し紛れのように言った。

「でも引っ越しの晩、俺が全部運んどいてって言ったら、こいつ『うん』って言ったんです」

私は正吾を見た。

「そのに、私は『かないからね』って言ったよね」

正吾のが閉じた。

私は鞄から封筒をした。

そしてつ折りにした枚のを、机のへ広げた。

引っ越し業者の作業確認。

先が、正吾側から読める向きへを回した。

「お届け先か所。奥様のお荷物は別所。所は、奥様より連絡。奥様分の費用は奥様負担」

さらに番を指した。

「確認者署名。栗原正吾さん。付は」

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正吾はへ顔をづけた。

自分の字でかれた名を、い見つめていた。

「……か所?」

「はい」

先は答えた。

「署名欄よりにかれている内容です。業者の方にも確認しました。署名にで説されているそうです」

正吾の顔から血の気が引いていった。

「あのとき、母さんと話してて……」

義母が正吾の腕を掴んだ。

「あんた、見てなかったの?」

「母さんが話してきたからだろ!」

正吾が腕を振り払った。

義母の顔が赤くなった。

「私のせいにしないでよ! あんたが苗さんは解してるって言ったんでしょう!」

「母さんが毎話してくるから、の話も聞けないんだよ!」

の言い争いが始まった。

私はそれを見ながら、妙に静だった。

あの、私は正吾ので説した。

矢吹さんも説した。

それでも正吾は、話の向こうにいる義母の声しか聞いていなかった。

そして今、正吾は自分の正しさを証するために業者を持ちし、自分が私の話を聞いていなかった証拠を自分で会議へ呼び込んだのだ。

やがて先がをいた。

「では、もうつ確認したいことがあります」

その声で、正吾と義母が黙った。

「今回の同居は、そもそも誰のために必だったのでしょうか」

その質問に、最初に答えたのは正吾でも義母でもなかった。

会議の端でずっと黙っていた義父だった。

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