みかん小説
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"7年伸ばした髪を妹に切られた日、婚約者まで笑った" 第14話

笑われる側の

美緒は画の騒ぎからか、元のさな印刷会社で事務の仕事を始めた。広告制作の採用がなくなり、何社かの面接でもうまく話せなかったあと、の紹介でようやく決まった職だった。初は慣れない伝票の処理にがかかり、先輩社員から何度も注された。美緒はに帰ると「みんな細かすぎる」と文句を言ったが、母は以のように全面には同調しなかった。

ある、複にが詰まり、取引先へ渡す予定の原稿が汚れてしまった。美緒が慌てていると、先輩社員が「そんなこともできないの」とで声を荒らげた。周囲の社員がこちらを見る。誰かがさく笑った気がして、美緒は顔を伏せた。先輩の叱り方は適切ではなかったが、原稿を汚したことへの対応も必だった。美緒は初めて、責められた気持ちと、自分が直さなければならない仕事を同に抱えた。

昼休み、同僚の女性が「複、から調子が悪いんです。次は私も確認します」と声をかけてくれた。美緒は驚いて「でも、私が失敗したのに」と言った。女性は「失敗したを笑っても原稿は戻りませんから」と答えた。その言葉が、美緒の胸に残った。では姉の失敗や困り顔を見つけるたび、笑い声が起こっていた。誰かが助けようとする面を、彼女はほとんど覚えていなかった。

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美緒はその、汚した原稿を作り直すために残業した。先輩社員に確認すべき箇所を聞くと、相は必な順を教えてくれた。美緒は仕事が終わったあと、「教えてくださってありがとうございました」とをげた。自分が違えたことを認めるのは悔しかったが、誰かの失敗を笑うより、ずっとく物事がむとった。

その夜、美緒は昔の画を保していた付けの記憶装置を取りした。の姉の制に落きをした画、卒業研究の資料を隠したの映像、顔わせのにを持って笑っている自分。姉がると族が「冗談なのに」と責め、最には姉が謝ってを収める。美緒は途で再を止めた。自分が面がっていたのは、姉が失敗することではない。姉が逃げられず、必ず自分の方を向くことだった。

画面には、私が「やめて」と言った直に美緒が笑い、修が「もうし」と撮を促す面があった。自分の笑い声がっていたよりきく、障りだった。美緒はその画を公用の保先から消し、残った複製もつずつ確認した。すでに広まった映像は消せない。それでも、たに誰かを笑いものにする材料を持ち続けるのはやめようとった。

翌、美緒は先輩社員に原稿を汚したことを謝り、再発防止の順を自分でいて見せた。

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先輩は「次から気をつけて」とく言っただけだったが、それで仕事は先へんだ。美緒はし拍子抜けした。相を泣かせたり、言い負かしたりしなくても、違いを認めれば終わる話がある。のでは、そんな当たりの終わらせ方を誰も教えてくれなかった。

母に「お姉ちゃんに謝りたい」と言うと、母は「返事を求めないなら、をいたら」と答えた。美緒は「返事がなかったらどうするの」と聞き、母は「それは凛が決めることよ」と言った。美緒は机に向かったが、最初の便箋には「私もつらかった」といてしまった。読み返してから、それを破った。謝るのでさえ自分の苦しさを先にこうとする癖に、ようやく気づいたのだ。

何度かき直し、美緒は枚のを封筒に入れた。姉が望まないなら連絡しないこと、画を削除し、残っていたデータも処分したこと、卒業研究の資料を隠したのは自分だったこと。最に「許してほしいとはけません。したことは消えないから」と記した。母は封筒を預かったが、すぐには送らなかった。私が受け取るかどうか、まずで尋ねることにした。

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