みかん小説
本棚

"「家は俺が守る」息子を信じた母、4年後の衝撃" 第5話

扉の向こうの音

分ほどして、い作業がのへ止まりました。りてきたのは宅さんという代半の鍵業者でした。具箱を持って玄関まで来ると、まず私の本確認類と登記事項の写しを慎に確認しました。

「黒田さんご本で、こちらの宅の所者ですね」

「はい」

「鍵を紛失されたわけではなく、誰かが交換したということでしょうか」

私はし迷った末、正直に話しました。

「息子が管理をしていたのですが、私に断らず交換したようなんです。しい鍵を渡してくれないので」

宅さんの顔がわずかに曇りました。

「ご親族で争いになっているようでしたら、私どもでは……」

「所権の確認もしてあります。弁護士にも相談済みです。自分のの状態を確認したいんです」

私がそう言うと、宅さんはもう度類を見た、頷きました。

「分かりました。では作業します」

玄関に、さな属音が響き始めました。

私は杖をつきながら、その音を聞いていました。

、私をから隔ててきたものが、目のでしずつされていくような気がしました。

直の言葉。

私自の慮。

「寄りなんだから任せた方がいい」という諦め。

その全部が、この鍵穴の向こうにあるようでした。

数分が経った頃です。

のから、かすかな音がしました。

広告

カタン。

私は顔をげました。

宅さんもを止めました。

「今、何か聞こえました?」

「ええ……」

次は、もっとはっきりしました。

子を引くような音。

そのに、さな咳払い。

宅さんは鍵穴からをし、玄関扉を見つめました。

「奥さん」

「はい」

「に誰かいます」

背にたいものがりました。

直なのか。

理恵なのか。

らない誰かなのか。

宅さんは具を置き、歩ほどろへがりました。顔がらかに変わっていました。

「勝にけるに、から声をかけましょう。いいですか?」

私は杖をく握り、頷きました。

「お願いします」

宅さんが玄関へ向かってしきな声をしました。

「すみません。鍵ですが、にどなたかいらっしゃいますか?」

返事はありません。

けれど、扉の向こうで音が止まったのが分かりました。

数秒。

ガチャリ。

今度は、はっきりと内側から鍵を回す音がしました。

宅さんがもう歩がりました。

私は臓が激しく鳴るのをじながら、そのからけませんでした。

玄関扉がゆっくりときました。

最初に見えたのは、髪交じりの髪でした。

次に、なエプロン。

歳の柄な女性が、扉の隙から顔をしました。

私は、その顔をっていました。

女性も私を見た瞬、目をきく見きました。

「……さん?」

私の喉がひどく乾きました。

棒でもありません。

見らぬ借でもありません。

そこにっていたのは、息子の妻・理恵の母親。

横貞子さんでした。

宅さんは事が分からず、私と貞子さんを交互に見ていました。

「おりいですか?」

私は答えようとして、声がませんでした。

なぜ、嫁の母親が。

私ののからてくるのか。

貞子さんは青ざめた顔のまま、震える唇で言いました。

「さん……本当に、帰ってきたんですか?」

その言葉を聞いた瞬。

私は、直が、何を隠していたのかを理解しかけました。

けれど、本当の裏切りは、貞子さんが次ににした言から始まったのです。

「だって直さんから、さんはこのへ度と戻らないって聞いていました」

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: