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"「嫁には1円もやらない」義母へ、家族3人の決断" 第7話

実の温もりと、止まった計

「――お邪魔します」

で分、夕暮れの赤の空の、私のまれ育った部(やべ)の実に到着した。 築の造平建て。庭には父が丹精込めて入れしている盆栽が並び、台所からは懐かしい汁と醤油のりがふわりと漂っていた。

玄関をけると、割烹着を着た母の郁子(いくこ・歳)と、縁側からちがった父の隆夫(たかお・歳)が、私たちを迎えてくれた。 「お父さん、お母さん……急にごめんなさい」 私がをげようとした瞬、母は私の両肩を優しく抱きしめてくれた。 「いいのよ、織。話で孝介さんから体の話は聞いたわ。……よく頑張ったわね。、本当によく耐えたわ」

母の温もりと、鹸のりに包まれた瞬、私の目からポロポロと温かい涙が溢れした。 田では決して見せることのできなかった音と涙。 「ママ、泣かないで」 陽太が私の元に駆け寄り、さなで私の涙を拭ってくれた。 父が腰をかがめ、陽太をひょいと抱きげた。 「陽太、じいじと緒にお呂に入ろうか。美しい栗ご飯が炊けてるぞ」 「わーい! じいじ、栗ご飯たべる!」 陽太の無邪気な歓声が、実の茶のに響き渡った。

その夜、陽太を寝かしつけた、私たちは実の居で向かいった。 テーブルのには、母が握ってくれた温かいおにぎりと、温かい豚汁が並んでいた。

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啜るごとに、臓腑に染み渡るような滋が体を満たしていく。 誰の嫌を伺う必もない。お茶の温度に怯えることも、理尽な嫌にを塞ぐ必もない。 らしい、当たりの夕の景がそこにあった。

「孝介君」父が静かにを切った。 「君の母親の性格は、昔から所でも評判だった。茂之さんがきていた頃は、あの温ながすべてに入って防波堤になっていたが……彼がくなってから、織がその防波堤の役目をで背負わされていたんだろう」

孝介はくを垂れ、拳を膝ので握りしめた。 「お義父さん、お義母さん……本当に申し訳ありませんでした。俺が……俺が母親から逃げたいで、見て見ぬ振りをしていました。母をにできないという罪悪に甘えて、織の尊厳を踏みにじっていたのは、でもない俺です」

「分かればいいんだよ」父は穏やかに頷いた。 「事なのは、今君が織と陽太のを取って、あのをてきたことだ。男が度腹を括ったなら、度とろを振り返るんじゃないぞ」

翌朝、私はぶりに「誰かのためではない朝」を迎えた。 午半。障子をけると、の澄んだ空気が肺を満たす。 鉄瓶でお湯を沸かす必も、湯ましで秒数える必もない。 母と緒に台所にち、朝の噌汁を作り、陽太の保育園の準備をする。

通勤の内でも、私のは羽がえたように軽かった。

しかし――私たちがったの田では、像を絶する「崩壊」が、すでに幕をけていたのだった。

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