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"妹の手術前に「家族やめれば?」――私はドナーを辞退した" 第5話

私の名がかれた

事会の翌朝、私は練習を休み、病院の相談へ向かった。望さんは私の顔を見るなり、先に温かいお茶をしてくれた。昨夜の来事を話すあいだ、彼女は遮らずに聞き、最に「今の気持ちを確認させてください」と言った。

「私は提供を辞退します。直美が病気であることを軽く考えているわけではありません。でも、私の体をあのたちに預けることはできません」

望さんはゆっくり頷いた。医療チームに伝える続きを説し、族に詳しい理由をらせずとも撤回できると確認してくれた。私は正式な撤回の類に署名した。ペンを置いた瞬、罪悪よりも先に、く息を止めていたことに気づいた。

「術は、もうできなくなりますか」

「あなたをドナーとする計画はめられません。患者さんの治療は、主治医たちが別の方法を含めて引き続き考えます。それと、もうつ確認したいことがあります」

望さんは机のに封筒を置いた。昨の午、父が病院の窓に提したという類の写しだった。そこには、私が体ドナーとして最終に術へ同する旨の文章があり、署名欄には確かに「藤堂広美」とかれていた。

けれど私は、そのを初めて見た。字体は似せてあったが、私の「広」の払いが自然に曲がっている。

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しかも押された印は、私がの頃にで使っていた古い認め印にそっくりだった。をるとき、私はその印鑑を持ってこなかった。

「この類は正式な同として受理されていません。ご本との面談が必ですし、私たちも審にって確認を止めていました」

望さんの声は落ち着いていたが、私はの先がたくなった。父は私が署名していないことをっていたはずだ。それなのに、なぜこのが病院に届いているのだろう。昨夜の「もうやめられない」という直美の笑い声が、急にはっきりと蘇った。

「写しをいただけますか。私は署名していません」

「院内の記録を保全します。ご本が提していないと申したことも記録します。必なら専の相談窓につなぎます」

私は鞄から昨夜のメッセージを取りし、父との通話履歴も見せた。事会に入る、嫌な予がして録音を始めていた音声も残っている。録音には、父が「類はそろっている」と言った声と、直美が「もうキャンセルできない」と笑った声が入っていた。

私は類の余にかれた所を見た。そこにはまで暮らしていた実の所が記されていた。父は今の私のまいをっているのに、あえて昔の所を使ったのだろうか。望さんは「類の細部も確認します」

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と言い、受領したと窓の記録を私ので確かめた。医療チームが疑問を抱いて止めてくれていなければ、私は父のをる会さえなかったかもしれない。

続きの途、私は度だけ「私がここで断れば、直美はどうなるのでしょう」と尋ねた。望さんは苦しそうな顔をせず、今の治療を考えるのは医療チームの仕事だと答えた。私にとって切なのは、妹の治療をで背負うことではなく、自分のを正確に伝えること。その区別ができたからこそ、私は撤回のに迷わず署名できた。

病院をたところで、父から着信があった。私は応じず、留守番話に切り替えた。数秒に残された声は、昨までの横柄さを隠そうともしなかった。

「広美。病院から妙な連絡が来たぞ。お、余計なことをしてないだろうな。類はもうしてあるんだ。今さら逃げられるとうなよ」

私が断ったのは、術だけではなかった。幼い頃から続いていた「おの体もも族のものだ」という決まりを、初めて確に拒んだのだ。そして父は、私の署名まで自分の都で使おうとしていた。

そのの夕方、病院から追加の連絡が入った。類を持ち込んだ物は父ではなく、直美も同席していたという。あのが何をり、どこまで計画していたのか。

私は、族との関係を終わらせるに、その事実だけは確かめると決めた。

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