"「25万円振り込め」と脅す夫へ、私はもう妻じゃない" 第3話
消えた25万円
画を何度も見返しているうちに、週の来事が蘇った。
夕、台所で皿を洗っていると、富がリビングから私を呼び止めた。
「美穂さん、ちょっといいかしら」
テレビから目もさずに言う。
「お呂の調子が悪いのよ。りいの業者に見てもらったら、修理に25万円かかるって」
私はを拭きながら振り返った。
「25万円ですか? どこか漏れしています?」
「素のあんたに説しても分からないわよ。もう頼んであるから、おだけ用して」
私は設計士だ。
配管ではないけれど、浴の漏れや設備の異常くらいなら、ある程度確認できる。
翌、がしたに浴を細かく見た。
も壁も乾いている。
タイルのひび割れもない。
圧にも異常はなく、点検の周辺に業者が触れた痕跡も見当たらなかった。
のため、私が活費を入れている座の履歴を確認すると、数に現25万円が引きされていた。
浩司が持つキャッシュカードからだった。
さらに同じ期、族カードの利用細に、級ブランドでの買い物が記録されていた。
額は、ほぼ25万円。
そのは断定しなかった。
ただ細を保し、ノートに付と額をいた。
けれど今、由美から送られてきた画には、若い女性がそのブランドの袋をげて映っている。
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私は画面を拡した。
ロゴまで同じだった。
浴修理と説された25万円。
同期にわれたブランドでの買い物。
そして浩司が会っている女。
本の線でつながった。
「起業の脈作り」
浩司が何度もにしてきた言葉が、急にひどく滑稽にえた。
私が必に設計図を引き、顧客と打ちわせをし、納期に追われながら稼いだを、浩司は自分の見栄と浮気のために使っていた。
しかも富は、そのために「浴修理」という嘘までついていた。
私はノートにしい付箋を貼った。
《浴修理25万円/実際の事確認できず》
《同期にブランド利用》
《由美提供画に同ブランド袋》
断定ではなく、確認できた事実だけをく。
父が私に教えてくれたやり方だった。
由美へ連絡し、画の元データを消さずに残してほしいとお願いした。
すぐに返信が来た。
《もちろん。実はあの、今回だけじゃないよ》
私は画面を見つめた。
《美穂ちゃんが打ちわせのとか、張のとか。何回か来てる。おばさんがいつも玄関まで迎えにてた》
胸の奥がたくなった。
私の。
父が建ててくれた。
私が仕事にている、そので夫とと義母が、まるで私だけが部者であるかのように過ごしていた。
私は黒いノートのろから、もう枚のを取りした。
週、浩司のスーツのポケットから見つけた夜のファミリーレストランのレシート。
ドリンクバーつ。
デザートつ。
だが私が気になったのは表面ではない。
裏側に浩司の字でつの言葉がかれていた。
《の名義変更》
《印鑑証》
《委任状》
最初に見た、全から血の気が引いた。
夫は単に私のを浪費しているだけではない。
父が残してくれたとまで、自分たちのものにする方法を調べていた。
私はその夜、寝の引きしを確認した。
実印を入れたケースが、ほんの数ミリだけ斜めになっていた。
表面には、私が使わないいりのハンドクリームの跡。
富がいつも使っているものと同じ匂いだった。
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