みかん小説
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"山奥の身代わり花嫁" 第11話

件のキャンセル

「社の結婚相に問題があるという噂を聞いたのですが」。朝から宿泊担当の話が鳴り続けた。まだ婚約すらしていないと説しても、相は「本当のことが分かるまで待ちたい」と言う。体験を予約していた学からも問いわせが入り、堂では団体客の弁当を仕込む予定を急きょ変更することになった。

私はキャンセル覧を印刷し、理由が分かるものと分からないものを分けた。投稿の響と断定できない予約もある。けれど「騙された社の会社にはきたくない」と記されたものは、無できなかった。さんは売への響を計算し、私の机に数字を置いた。そこには堂だけでなく、宿泊と体験部の損失見込みが並んでいた。

さらに、が発注する公共施設の改修事にも響がた。所が受注を予定していた約千百万円の契約について、担当者から「事実関係を確認するまで続きを保留したい」と連絡があったのだ。契約がなくなれば、材料の発注先にも職にも迷惑がかかる。私はへ向かい、作業のたちにをげた。

「私のせいで、こんなことになってしまって」。そう言うと、井さんが先にをいた。「あんたが嘘をいたのかい」。私は首を横に振った。「じゃあ、あんたのせいじゃないよ」

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。その言葉に救われながらも、注文が減れば仕事を失うがいるという現実は消えなかった。

武さんは社員を集め、分かっている事実と分からないことを分けて説した。私の私活を必以に話さず、会社への問いわせは窓を本化する。契約先には調査であることを伝え、証拠を保してから正式に回答する。な反論を控える方針に、若い職のが「言われっぱなしですか」と満を漏らした。

「言われっぱなしにはしません」。武さんは静かに答えた。「ただ、相と同じ方法で誰かを傷つければ、会社の信用は戻りません」。私はそので、厨がも通常どおり営業できるよう仕入れを調すると伝えた。できることをつずつ決めていくと、の震えがし収まった。

午、らない番号から堂へ話があった。相は私の名を確認すると、「代わりのくせに族を裏切ったんでしょう」と言った。私は言い返さず、と内容を記録して通話を終えた。話を取る井さんたちの負担を減らすため、部からの問いわせは事務へ転送するようにした。客の事を作る所を、誰かの悪で壊されたくなかった。

夕方、私は武さんに「町へ戻ったほうがいいのかもしれません」と話した。彼は即座に否定せず、私が何を怖がっているか聞いた。

「ここにいる限り、皆さんに迷惑をかける気がするんです」。武さんはしばらく考え、「美緒さんがいなくなれば、嘘をいたの主張が本当だったように残ります」と言った。

私は黙った。彼は続けた。「残るかどうかは美緒さんが決めてください。ただ、私は会社の責任者として、この問題を証拠で終わらせます」。守ってもらうだけではなく、私にもできることがあるはずだった。私はからの配達表をえ、取引先に説するための仕事の記録を集め始めた。

その夜、母から話が来た。画面に表示された実の番号を見た瞬、胸がくなった。私は通話を録音できる状態を確認し、く息を吸ってから応答した。母は挨拶もせず、いがけない額をにした。「耶の投稿を消してほしいなら、百万円送りなさい」。

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