みかん小説
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"山奥の身代わり花嫁" 第12話

百万円の話

「百万円って、どういうこと」。私は母の言葉を繰り返した。母は、姉が京で恋と別れたあと借を作り、返済を迫られているのだと話した。父も活費に困っており、私がで裕福な暮らしをしているのだから助けるのが当然だという。私が与で働いていると説すると、母は「そんなにんでいるくせに」と吐き捨てた。

「投稿を消すことと、借は別の話だよ」。私が言うと、母は笑った。「本当かどうかなんて関係ないわ。あんただけ幸せになるのが悪いのよ」。私は机のの帳に、と額をいた。「お母さん、今の話は記録に残しているからね」と告げると、話の向こうが瞬静かになった。

母は「親を脅すのか」と鳴り、父に代わった。父は百万円の受領について、私が承諾していたはずだと言い張った。「おの印鑑が押してあるだろう」。私は「私はいていないし、おも受け取っていない」と答えた。父は「族のなんだから細かいことを言うな」と言い、通話を切った。

私は録音を保し、すぐに弁護士へ連絡した。誰にでも公していい証拠ではないこと、元の音声を加せず保管すること、姉の投稿と銭求の関係を理することを教えられた。私はつずつ順をき、武さんにも必な範囲だけ報告した。

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以なら、母に鳴られた点で自分の考えが違っているようにじていただろう。

翌、さんが峰へ来た。を休んでまで来てくれたことを謝ると、「は休みじゃないよ。伝いのに任せてきた」と笑った。さんは古い封筒を持っていた。、武さんが宮坂さんへ縁談の相談をするに、へ届いたの写しだった。そこには「野美緒さんご本のを確かめたい」と記されていた。

「最初は、仕事の引き抜きかとったんだよ」。さんは封筒を広げた。「だから本に直接話すよう伝えた。けれど宮坂さんが、まずの方へ正式に申し込むのが礼儀だと言うものだから」。私はさんを責める気になれなかった。あの頃の私は族に逆らうことを考えたこともなく、を見せられても自分の希望を言えたか分からない。

宮坂さんも訪ねてきて、父から返送された承諾の原本を持ってきた。私の名のに貼られた修正は、端がわずかに浮いていた。に透かすとの字が読める。父は女を選んだのではない。私宛ての話を、姉に差し替えていたのだ。宮坂さんは「族の話だからと、私が確認を怠りました」と改めて謝った。

姉の投稿にあった偽のメッセージについても、掛かりが見つかった。使われた写真は私の古い携帯話に保されていたものと致し、文面のには、私が弁当の厨で働いていたが含まれていた。

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さんの勤務記録との売記録が、そのに私がにいたことを示していた。ただ、それだけでは画像が偽物だとすべてのに伝わるわけではない。

私は証拠を並べながら、姉が残した留守番話をいした。妹なら事ができるから、そっちで使えばいい。あの言葉を聞いたとき、姉はただ縁談を嫌がっているのだとった。けれど今は違う。姉は私の名でんでいた話をり、私が代わりにかされることまで見越していたのではないか。

「私、姉に度だけ確かめたいことがあります」。私は弁護士に相談し、直接会わず面で質問を送ることにした。尋ねたのはたったつだった。「私宛ての縁談だったと、いつったの」。数、姉から届いた返事には、父が私に隠していたもうつの事実がかれていた。

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