"葬儀3日後、姑に追放された私に亡き夫からの連絡" 第6話
入れ替わった名札と作業着の男
「……棺のにいたのは、誰か……?」 男の放った言葉のが、脳内で処理しきれずに反響した。 元からが抜けるような覚に襲われ、私はわず待ロビーの円柱にをついた。 隣にいた恵子が素く私の肩を支え、警戒をわにして男を睨みつける。 「ちょっと、あなた誰なんですか!? 失礼じゃないですか!」
男――は、咎めるような恵子の剣幕にも表を崩さず、く、丁寧にをげた。 「取り乱させてしまい、本当に申し訳ありません。私の名は周(なかむら・しゅういち)と申します。先の物流センター崩落事故で、次請けの現責任者を務めていた……誠の兄です」 は顔をげると、帳の隙から枚の作業証のコピーを差しした。 そこには、直と同じくらいの齢の、浅黒く焼けした実直そうな男性の顔写真が貼られていた。
「事故の直、現は鉄骨とコンクリート片が散乱し、で界ゼロの混乱でした」 は震える声で語り始めた。 「私の弟の誠は、次崩落の危険があるで、逃げ遅れた作業員を助けようと奥のエリアへ引き返したんです。そこで、の敷きになっていた男性を引っ張りそうとして……から落ちてきた型ラックの直撃を受けました」
私は息を呑み、胸元をく押さえた。
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「その、弟は自分の防寒作業着を、瓦礫から助けそうとしていた男性のにかけていたようなんです。……その作業着の胸ポケットには、弟の分証と携帯話が入っていました。そして、助けされた男性の所持品――社員証の入ったカードホルダーが、弟の遺体のすぐ脇に落ちていた」
病院の空調の音だけが、気に響いていた。 「現に最初に駆けつけた救急隊と警察は、あまりの凄惨な損傷と所持品の配置から、搬送先を割り振る段階で……の元を取り違えたんです。部に壊滅な損傷を負って即状態だった私の弟が『佐藤直』として警察の霊へ送られ、識の体ながら命を取り留めた男性が『元の作業員』として、この救命救急センターへ運ばれました」
「そ……そんな……」 私の膝が激しく打ち震えた。 「じゃあ……あの葬で、私と咲がをわせたのは……」 「ええ」の目から、粒の涙がポロポロとこぼれ落ちた。 「私が警察から『弟さんは別の病院で治療だ』と誤った説を受け、あちこちの病院を探し回っているに……あなた方のによって、私のたったの弟は荼毘に付されてしまったのです」
の慟哭が、静まり返ったロビーに染み渡っていく。 なんという取り返しのつかない過ちを犯してしまったのか。 見ずらずのの遺体を、夫だとい込んで葬し、その遺族から最の別れの会すら永に奪ってしまったのだ。
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「ごめんなさい……! 本当に、申し訳ありません……!」 私がに膝をついてを擦り付けようとすると、は私の腕をしっかりと掴み、制止した。
「謝らないでください、奥さん。あなたを責めるためにここへ来たのではありません。……警察の調べで、元の確認作業の際、警察官が『お顔の確認をされますか』と何度も尋ねたのに対し、あなたのお義母様が頑なにそれを拒絶し、即座に密葬の続きをめたと聞きました。奥さん、あなたは本当に、度もご主の顔を見せてもらえなかったのですか?」
「はい……!」私は涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら叫んだ。 「お義母さんが『損傷が酷いから見てはいけない』と、私を棺に切づけさせなかったんです……! 会社の窓も全部お義母さんが握って、私には何つ教えてくれませんでした!」
はく息を吐き、静かに頷いた。 「やはりそうでしたか。……佐藤さん、く階へってあげてください。あなたの本当の旦さんが、数に識を取り戻し、泣きながらあなたと娘さんの名を呼び続けています」
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