"時給1111円で高齢者5人を雇った結果" 第16話
をきくしないという決断
号の話は、そのも何度か来た。
駅の産会社。
商。
品卸の担当者。
SNSでがられるようになったことで、県から「簾分けをしたい」という連絡まで届いた。
普通ならぶ話だ。
俺もは考えた。
を増やせば売りげはがる。
の活躍を仕組みにして、でも再現できるかもしれない。
だが塩田が反対した。
「をマニュアルにした瞬、のハイパーラーメンと同じになります」
その言葉が刺さった。
確かにそうだった。
《元勤務者には庫管理を任せる》
《元教師には接客を任せる》
《齢スタッフには経験をかした仕事を与える》
そんな決まりを作ったところで、はない。
はずつ違う。
同じ歳でも、料理が好きなもいれば苦なもいる。
械が得なだっている。
若いでも接客が苦なはいる。
事なのは齢に応じた仕事を与えることではない。
本を見て、話を聞き、そのが持っているものを使える所へ置くことだった。
「号はやめます」
俺が決めると、青さんが聞いた。
「じゃあ余った、どうする?」
「余ってませんよ」
「よりはあるだろ」
「まあ」
俺は別の案をした。
「の階、使いません?」
父が倉庫にしていた階には、古い机や子が積まれていた。
片付ければ、さな休憩スペースになる。
広告
桃子さんが目を輝かせた。
「いいじゃない。子どもたち勉できるわ」
桜さんは、
「寄りの将所にもなるな」
と言う。
黒田さんは、
「俺は昼寝する」
と答えた。
結局、商のたちまで伝ってくれた。
壁を塗り、古い机を直し、本棚を置く。
所から寄付された本が集まった。
完成した階には、名を付けなかった。
ただの「階」。
誰かがラーメンをべたあと、し休んでいく所になった。
ある午。
代の男性がへ来た。
ラーメンをべ終わってから、俺へ尋ねる。
「求、してないか?」
聞けばに会社を退職し、妻をくしてからにいるという。
「料理はできます?」
「全然」
「接客は?」
「苦だ」
「得なことあります?」
男性はしばらく考えた。
「……をやった」
俺はの壊れかけている棚を指した。
「これ、直せます?」
老はづいて、ぐらつきを確認した。
「こんなの分で直る」
俺は笑った。
「じゃあ、まずそれお願いします」
横で聞いていた塩田が吹きした。
「またですか」
「何が?」
「赤坂さん、採用面接になってません」
「そうですか?」
「普通、もっと々聞きますよ」
「でも直せるらしいですよ」
そのの夕方。
棚は品のように直っていた。
さらに翌週。
入の傾いていたベンチまで直っていた。
しい仲が、増えた。
齢は歳だった。
広告
おすすめ作品
-
完結第20話
息子が遺した証拠
長野県松本市に暮らす70歳の元宮大工・柏木源一郎は、一人息子の健太を交通事故で亡くした。しかし、慎重だった息子が居眠り運転をしたという警察の説明に、どうしても納得できない。 そんな中、同居を始めた嫁の美咲が、毎週木曜の夜に化粧をして外出し、若い男の車に乗っているという噂を耳にする。さらに息子の勤務先から、500万円の見舞金と引き換えに不可解な合意書への署名を求められる。 嫁を信じたい源一郎は、ある夜、密かに後を追う。そこで目にしたのは、息子の死につながる恐ろしい事実だった――。夫婦|親不孝|金銭問題|修羅場2.3万字5 160 -
完結第14話
50人ドタキャンで廃業寸前、そこへ現れた意外な客
父から受け継いだ居酒屋「二鉄」を守るため、会社を辞めた32歳のテツ。廃業寸前の店に舞い込んだのは、元同僚・真治からの50人貸切予約だった。ところが宴会開始30分前、真治は突然の全員キャンセルを告げ、支払いまで拒否する。大量の料理を前に途方に暮れるテツ。そのとき、「今から50人入れますか?」と一人の青年が駆け込んできた。職場逆転|裡切られた|怒り|金銭問題|修羅場1.7万字5 330 -
完結第15話
110億円を相続した妻を捨てた夫――30億円の誤算
亡き叔父から110億円もの遺産を相続した美桜は、経営難に苦しむ夫・達也を救おうと、書類を抱えて帰宅する。ところが家の中から聞こえてきたのは、姑と夫が自分を追い出し、裕福な社長令嬢との再婚を企む会話だった。持参金5000万円に目がくらんだ夫は、慰謝料も財産分与も払わず離婚を迫る。美桜は静かに離婚届へ署名し、家を後にする。しかし、夫の会社を長年支えてきた30億円の信用枠には、本人さえ知らない重大な秘密があった嫁姑|夫婦|相続|金銭問題2.4万字5 726 -
完結第20話
5000万円の新居に義両親が無断で引っ越し――夫の嘘
実家の両親から五千万円の援助を受け、念願の新居を購入した。夫の健太とは親との同居をしないと約束し、二人だけの新生活を始めるはずだった。ところが引っ越し当日、義両親のベッドやタンスを積んだトラックが突然到着する。「今日から俺の親も住む。親孝行は当然だろ」と言い放つ夫。彩佳の同意もなく進められていた同居計画には、夫が隠してきた嘘があった。人生逆転|裡切られた|嫁姑|夫婦|相続|金銭問題|修羅場2.3万字5 786 -
完結第20話
葬儀3日後、姑に追放された私に亡き夫からの連絡
物流センターの事故で夫・直人を突然失った41歳の美和。しかし義母の数枝は、妻である美和に夫の顔を見ることすら許さず、葬儀を強引に取り仕切る。さらに葬儀の三日後、香典三百万円以上を独占し、13歳の娘・咲と美和を雨の夜に家から追い出してしまう。 絶望の中、親友に助けを求めた美和のスマートフォンに、午前四時、信じられないメッセージが届く。 「生きてる。母には言うな」 送信者は、火葬されたはずの夫だった。 閉ざされた棺の中にいたのは誰なのか。義母が隠そうとしたものとは――。夫の事故をめぐる疑惑と家族の裏切りを描く、衝撃の逆転サスペンス。因果応報|嫁姑|夫婦|親子関係|金銭問題2.3万字5 641 -
完結第14話
「一緒に浪人」は嘘だった――俺に届いた特待生通知
高校三年生の高瀬優馬は、恋人・彩佳の受験勉強を支えるため、自分の研究や試験対策を後回しにしてきた。「どちらかが落ちても一緒に浪人しよう」――その約束を信じていた優馬だったが、合格発表の日、受かった彩佳は彼をあっさり突き放す。しかし優馬には、彼女に隠していた特別奨学生の選考通知があった。自分の未来を取り戻す決意をした優馬は、名門工科大学で研究の才能を開花させていく。やがて大学のコンテストで再会した二人を待っていたのは、残酷なほど鮮やかな立場の逆転だった。因果応報|人生逆転|修羅場2.3万字5 710 -
完結第13話
三千円の温泉旅行
町内会の会計を務める68歳の森川静子は、秋の日帰り旅行を一人三千円の温泉宿に決めた。ところが、副会長の妻・矢野夫人は「貧乏くさい」と不満を漏らし、勝手に高級旅館へ行き先を変更。会長の了承を得たと嘘をつき、参加者まで誘い出してしまう。 旅行当日、矢野夫人から突然「積立金三十万円を出しなさい」と電話が。拒否した静子は、今度は会費の使い込みを疑われ、町内中に帳簿の写真を広められる。 しかし、その写真と案内状には、矢野夫人が見落とした決定的な事実が残されていた――。人生逆転|第二の人生|ATM扱い|金銭問題1.5万字5 1293