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"五歳で売られた天才少女、悪意を嗅ぎ分け父を救う" 第5話

研究所の毒蛇と、戦慄の首飾り

省都の郊に位置する、警備に守られた極秘国防研究所。 翌朝、林主任に連れられて正面玄関をくぐったゆえんは、真しい清潔な子供にを包んでいた。の当てを受け、包帯のから柔らかい靴を履いている。

「林主任! ご無事で何よりでした!」 迎えてきたのは、を着た禿の副主任・徐便川(シュー・ビエンチュアン)だった。鏡の奥の目を細め、いかにも忠実な部といったで駆け寄ってくる。 「列で襲撃があったと聞き、肝をやしましたよ。……ところで、そのらしいお嬢さんは?」

その瞬――ゆえんは息を呑み、林主任のの裾をギュッと握りしめた。 腔を突いたのは、あの暗殺者よりも遥かに濃な、ドブ川のヘドロが腐敗したような凄まじい悪臭だった。 (くさい……! この、体から真っ黒な匂いがしてる!)

ゆえんは林主任にだけ聞こえるよう、元で声で囁いた。 「おじいちゃん……このハゲの、すっごく臭い。列で襲ってきた女のより、もっともっと臭いよ」 林主任は表を変えず、静かに頷いた。 「そうか……よく教えてくれたね、ゆえんちゃん」

林主任は罠を仕掛けるため、あえて徐副主任を泳がせることにした。 ゆえんが修正した設計図面を「謎の才技術者・Y氏から提供された極秘データ」

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として庫に保管し、徐副主任の執務の周囲に厳な監網を敷いたのだ。 そしてその夜、夜のオフィスに忍び込み、庫のデータを盗み撮りしようとした徐副主任は、待ち伏せていた警備部隊によって現犯で取り押さえられた。

「徐便川! 観しろ! 貴様が報を横流ししていた証拠はすべて押さえた!」 王秘が銃を突きつける、拘束された徐副主任は、狂ったように笑いをげた。 「ハハハ! 林尊、貴様がこれほどく私に辿り着くとはな……! だが、見事だったのは貴様ではない。あのガキだ! あのガキが私を見た瞬、を覆ったのを見たから、何かが狂ったとっていた……!」

徐副主任は元から黒い血を流し始めた。奥歯に仕込んでいた青酸カリを噛み砕いたのだ。 「もう遅いぞ……! あのガキの異常な能力についての報は、すでに『あの方』へ暗号通信で送信済みだ……! あの特異体質は、が組織の計画にとって最の脅威……必ず消される……!」 徐副主任は絶命した。

「所内から報が漏れただと……!? すぐに通信の発信先を特定しろ!」 林主任が叫んだその、王秘が青ざめた顔で枚の調査報告を持ってきた。 「主任! ゆえんちゃんが探していた父親――陸についての元が判しました!」

「何だと!? 君の消息が分かったのか!?」 「はい……陸は、が国の最精鋭特殊作戦部隊の元隊でした。

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しかし、ある極秘任務の最、敵の罠に落ちて方となっています。そして……彼のは、この省都に君臨する、あの名の名――『陸(ルー)』の直系男です!」

林主任は息を呑んだ。 あの軍閥の老・陸志君(ルー・ジージュン)将軍の、方になっていた息。 ゆえんは、国を揺るがす最権力者族の、直系の血を引く令嬢だったのだ。

「すぐにをせ! 徐が報を漏らした以、研究所も危険だ。今すぐ、ゆえんちゃんを陸の本邸へ送り届けるんだ!」

夜の豪の、黒塗りの防弾が陸の広な敷のに滑り込んだ。 迎えたのは、髪の老将軍・陸志君と、その妻の沈秀萍(シェン・シウピン)だった。 「林主任、こんな夜更けに体何の用だ?」 「陸将軍……君の娘さんを、お連れいたしました」

林主任が差しした女の顔を見た瞬、陸将軍と沈夫はに打たれたように直した。 の幼期にき写しの眉目。 そして――ゆえんの首元からこぼれ落ちた、あののペンダント。

それを見た陸将軍の目が、血るほどに見かれた。

「こ……この首飾りは……!? 馬鹿な……なぜこれをおが持っている!?」 老将軍のから漏れたのは、歓の言葉ではなかった。 それは、底れぬ恐怖と戦慄に染まった、絶叫だった。

「が任務にる直、軍の最密である『国防暗号コードの原本』を刻み込み、自らの命と引き換えに隠滅したはずの……の認識票(ドッグタグ)ではないか……!!」

豪邸の広に、息を呑む静寂が落ちた。 歳の女がにつけていた形見は、国の命運を握る、巨な薬庫そのものだったのだ――。

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