"シャッターを切らなかった日" 第7話
会がなくなった
半ば、展示の会が使えなくなった。
公民館の担当者から恵子へ話があり、予定していた部は別の事となったという。さな展示なら廊を使ってもよいと言われたが、壁に釘を打つことも、が集まる催しをくこともできなかった。
「急に決まった話じゃなかったのに」
恵子は受話器を置いて、しばらくかなかった。
さんは聞社の会議を使おうと言った。しかし、それではで働くが来にくいという見がた。町のだけで集まるつもりなら、聞社が援するはないと、さんは困った顔をした。
「なら、魚の古い倉庫はどうだ」
さんが言った。
沿いに、今はほとんど使われていない荷さばきがあった。根はある。灯もつく。ただし、は傾き、がると入にがたまる。
僕たちは掃除具を持って見にった。戸をけると、潮と古いの匂いがした。井からがる球がつ、で揺れていた。
「写真が傷みますよ」
僕が言うと、親方が壁を指した。
「板を枚てればいい。印画は裏から湿気を吸うから、直接貼るな」
展示台に使う箱はさんが用し、恵子が所のに頼んで細い角材を分けてもらった。さんは印刷費を聞社に相談する代わりに、展示の内容にはをさないと約束した。
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ただ、会をけるには問題があった。倉庫の所者に許を取り、入を確保し、線を点検しなければならない。僕らは写真を飾ることばかり考えていたが、を呼ぶとは、転ばずに帰ってもらうところまで含むのだとった。
倉庫の掃除はったより難しかった。に残った魚の鱗を落とし、漏りする所へ桶を置き、釘のた箱をつずつ直した。展示に来るのには元の悪いもいる。写真のさをげ、子の隔を広げると、飾れる枚数が減った。恵子は「減ってもいい。見られない展示じゃがない」と言った。
作業の目、僕は倉庫ので父を見つけた。
帰りの作業のまま、の方を見ていた。には煙があったが、はついていない。
「何をやってる」
「写真展の準備」
「ってる。母さんから聞いた」
父は倉庫のをのぞいた。に並んだ写真のに、の煙突を見つけると、眉を寄せた。
「お、のことを撮るのか」
「撮るよ。俣のことだから」
「俺の顔はすな」
「さない」
「勝に、俺の仕事を恥ずかしいものにするな」
僕は腹がった。
「恥ずかしいのは、がしたことじゃないの」
父の頬がいた。殴られるとったが、父は煙をしまっただけだった。
「がしたことと、そこで働く俺の毎は、同じ言葉で片づかん」
「じゃあ、どうけばいい」
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「らん。だから、俺の写真は撮るなと言ってる」
父は背を向けた。
僕は追いかけなかった。父がから受け取った料で、僕の学費も写真のフィルム代も払われている。その事実は消えない。同に、排による被害が起きた事実も消えない。僕はつを同じ画面に入れたかったが、父はまだ、その画面に入ることを選んでいなかった。
翌朝、倉庫の入にしい板が置かれていた。表には《元注》ときくいてある。裏返すと、父の字で《線は乾いた所を通せ》とあった。
恵子が笑った。
「お父さん、伝ってくれたんじゃない」
「たぶん」
僕は板を入にてた。父は写真に写らないまま、会の全をつ増やしていた。
そのの夕方、岩崎さんから連絡が来た。
「撮ってほしいがいる。の夜、のじゃなく、へ来てくれ」
僕はカメラを磨きながら、何を撮ることになるのか考えた。
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