みかん小説
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"死んだ母を名乗る女" 第15話

現犯逮捕の瞬と崩れ落ちた絶叫

「坂千恵子。午分、詐欺および建造物侵入の容疑で現犯逮捕します」

女性警察官の事務な宣告とともに、酷な属音がカチャリと響いた。 叔母の両首に、の錠が容赦なく嵌められる。

「嫌ぁぁぁっ! しなさいよ! 何よこれ、私が何をしたっていうのよ!!」 錠をかけられた叔母は、面に転がりながら狂ったように暴れ回った。 着ていた派なチュニックはにまみれ、振り乱した髪が顔にへばりつく。 かつて私の幼期を恐怖で支配し、母のすらに変えようと嗤っていた女の、あまりにも無残で醜悪な断末魔の姿だった。

「美咲ちゃん! 助けて、美咲ちゃん!!」 叔母はだらけの顔をげ、私の元に向かっていずり寄ろうとした。 「私よ、あんたの叔母さんよ! 子供の頃、緒にご飯を作ってあげたじゃない! サラダの作り方を教えてあげたでしょ!? 族じゃないの! けはないの!?」

私の両は、歩もかなかった。 たい線で、元にすがる肉親の残骸を見ろす。 「け? そんなもの、あなたが母さんの典を盗んで逃げたに、すべて焼き捨てましたよ」

私の声には、片の揺らぎもなかった。 「叔母さん。あなたが私に教えてくれたのは、料理の作り方なんかじゃない。……『の善とに寄してきるが、どれほど惨めに破滅するか』という、の反面教師としてのき様だけです」

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「あんた……鬼よ! 悪魔よ!! 呪ってやる! 呪ってやるからねぇぇぇッ!!」 喚き散らす叔母の両脇をの警察官が抱えげ、無理やり覆面パトカーの部座席へと押し込んだ。 パトカーのドアがバアンと閉ざされ、へ漏れる叫び声が遮断される。

方、壁際でさくなっていた川島のには、伊藤刑事がちはだかっていた。 「さて、川島秀さん。あなたにも署まで来ていただきますよ」 「わ、私は関係ありません! 私はただ、彼女に騙されて連れてこられただけで……!」 「関係ないかどうかは、取調でじっくり伺いましょう。……実はね、数週にこの浅沼邸の窓ガラスが割られた空き巣未遂事件の防犯カメラ映像に、あなたによく似た体格の男が映っていましてね」

「えっ……!?」 川島の顔から、完全に気が失われた。 「靴の跡、現に残されていた繊維片、そして現周辺のNシステム。すべて照させてもらいますよ。……さあ、乗りなさい」

川島もまた、抵抗する気力を完全に奪われ、項垂れたままもう台のパトカーへと連されていった。 台のパトカーが赤灯を回しながら、宅の坂を静かにりっていく。 サイレンの音すら響かない、あまりにも呆気ない幕引きだった。 に残されたのは、乾いたが吹き抜ける庭と、信じられないほどの静寂だけだった。

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