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"「祖母が危篤」と10万円を求めた夫の大嘘" 第12話

返済計画は鉛で

借の相談窓へ幸がったのは、別居から週だった。私が予約を取るのではなく、自分で話して程を決めるように伝えていた。相談員は消費者融の残と利息、毎の返済額を確認し、活費を確保したうえで無理のない計画をてる必があると説したという。幸は帰宅、初めて細を全部そろえて見せた。

借入れは社で百万円、原田から万円、職の先輩から万円、親戚から万円。第者に対する債務は計百万円だった。それとは別に、私の座から無断で使った百万円がある。私はこのつを同じ列にかず、別の表にした。夫が誰へ、何の理由で、いくら返すのかを曖昧にしたくなかった。

「今の料だけで全部を期に返すのは無理だ」。夫はようやくそう認めた。取りは万円ほど。松さんへ万円を入れ、通勤費や費、最限の活費も必だった。消費者融への返済を優先しつつ、私と子どもたちへの支払いをどう確保するか、専の助言を受けながら考えることになった。

私は子どもたちの活費について、夫婦としての分担を文にしておきたいと伝えた。幸が「毎払うから」と言っても、約束だけではまた同じことになる。

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相談先で教わった方法を参考に、支払、振込先、額、遅れたときの連絡方法を記した。私の貯の返済についても別に記録を残し、必なら正式な続きを取るつもりだった。

支払いの順序を決めるとき、私は夫へ「私への返済を実に、ほかの借を放置しないで」と言った。延滞が増えれば、結局子どもたちの活にも響する。幸は相談員と作ったごとの表を見せ、料から先に必額を振り分ける方法を説した。私も自分の座に入った額だけを確認し、夫の財布のまで管理する役は引き受けないことにした。

夫は鉛で計算しながら、「毎これだけ返しても、何もかかるんだな」と言った。私は「何もかけて貯めたおだからね」と返した。数字はを責めるためのものではなく、起きたことを見えるようにするためのものだった。彼が消したがっていたとおを、私はつずつのへ戻していった。

相談員からは、賭け事をやめたい向けの支援窓も紹介されていた。幸は最初、「そこまでじゃない」と言った。しかし遺産を使い切り、借をね、産のにまで競馬へっていたことをいすと、私は黙っていられなかった。「そこまでだったから、今ここにいるんだよ」。夫はしばらくして、相談だけでも受けると答えた。

数、幸は相談窓で聞いたことをノートにいて持ってきた。『負けを取り返すために賭けを増やす』『借りたをなものだとい込む』『族に隠す』。どれも自分に当てはまったという。私はその言葉を聞いても、すぐにはしなかった。自分の問題をることと、を変え続けることのには、まだい距があった。

最初の振込、夫から子どもたちの活費が入された。約束した額が、約束したに届いた。私は通帳へさな赤い印をつけた。たった回で信頼が戻るわけではない。それでも、言葉ではなく記録として残るものが増えたことを、私は切にしたかった。

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