みかん小説
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"朝八時までのヒーロー弁当" 第14話

べ終えたあとの言葉

休憩では分の包みが次々とかれた。堀は注文表に印をつけ、べたから名を確認していった。おにぎりつと卵焼きという簡単な朝飯だったが、夜通し作業を続けた社員たちには分ありがたかった。「堂の定も好きだけど、今朝はこれが番だな」。誰かがそう言い、隣の作業員が「温かいうちにいたかったな」と笑った。包みをける音とい会話が、休憩に広がった。

堀は作業員たちに、が夜に連絡してきたことを説した。「ただし、今夜のことを当たりだとうな。正夫さんたちは休みのだったんだ」。若い社員たちは頷いた。誰かが「今度ちゃんとお礼を言いにこう」と言うと、堀は「礼より先に、代をきちんと払え」と返した。皆が笑ったが、堀の声は真剣だった。好を続けさせるには、相の仕事として尊しなければならない。は空になった包みを丁寧にたたみ、机の端へ置いた。が閉まっていた数、自分はあの煮物のをいしていた。今朝べたおにぎりには特別な具はなかったが、夜に自分たちの数を数えて作ってくれたことが何より嬉しかった。

正では浦が、包みをにしたまま正夫のにっていた。しず子もからを渡ってきた。夫がのでく待っているのを見て、膝が配になったのだ。

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浦はに向き直り、くをげた。「あの朝は失礼なことを申しげました。おのも確認せず、面を理由にした言い方をしてしまいました。本当に申し訳ありません」。

正夫はすぐには答えなかった。謝罪を聞いて嬉しいというより、あの朝しず子が弁当を持ったままち尽くしていた姿が浮かんだからだ。しず子は静かに言った。「堂を作ることが悪いとはっていません。社員さんに温かいご飯をすのは、いいことです。でも、うちが何をしてきたか、度見てほしかったんです」。浦は「おっしゃる通りです」と答えた。

「会社が何を買うかは会社が決める」。正夫はゆっくり言った。「だが、確かめてもいないを危ないと言うのは違う。、ここで飯を作ってきた。誰にも迷惑をかけないように、それだけは気をつけてきた」。浦は正夫の顔を見て、もう度をげた。「その点は私の判断がりませんでした。社内にも説します」。正夫はさく頷いた。

浦はすぐに昼の取引を戻すとは言わなかった。社員堂には契約があり、会社の予算も決まっている。現でがいたからといって、そので約束を変えることはできない。正夫もそれを望んでいなかった。「昼は堂がある。うちは昼に買いたいへ作るだけだ」と言った。

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しず子も「今の数なら、私たちにも続けられます」と添えた。

その、では作業が再された。休憩を取り直した社員たちは、再測定の記録を落ち着いて確認した。べたから急に械が直ったわけではない。原因の切り分けにをかけ、型の固定方法を見直した結果、朝の検査でようやく数値が基準内に収まった。堀は最の記録に署名し、浦は取引先へ結果を報告した。荷は予定より遅れたが、必な確認を省かずに済んだ。

正夫としず子は、へ戻って使った鍋を洗った。空になった保容器は翔太たちが持ち帰り、台もきれいに拭いて返してくれた。正夫は丸子に座り、膝を伸ばした。しず子は湯みに茶を注ぎ、「これで今度こそ休もうね」と言った。正夫は「そうだな」と答え、しばらくで窓のを見ていた。

午を過ぎ、の話が鳴った。堀からだった。「みんなべた。代は曜に持っていく。ありがとう」。正夫は「分かった」と答えた。堀はし黙ってから、「部もべてたぞ」と付け加えた。正夫は「そうか」と言い、受話器を置いた。しず子が「何て」と聞くと、「全部なくなったそうだ」とだけ答えた。にとって、それがいちばん確かならせだった。

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