みかん小説
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"朝八時までのヒーロー弁当" 第17話

朝までの

しい契約が始まる、正夫としず子は久しぶりにの棚をきく片付けた。昼の予約に使っていたアルミの弁当箱は、傷みのないものだけを残して洗い直す。古いものは処分し、数がうように並べた。正夫は台を持ちげようとしたが、しず子に見られてを引っ込めた。「分かってるよ。持たん」。しず子は「それでいいの」と笑い、で軽い箱から順に棚へ戻した。

の朝予約は分だった。の番が始まるに受け取れるよう、には準備を終える必がある。正夫は炊飯器の刻を調し、しず子は夜のうちに切れる野菜を用した。以のように午からすべてを始めるのではなく、仕込みを分けての負担を減らす。、に調理してはいけないものは当仕げる。そう決めると、仕事の順番もしずつ変わった。

最初の朝、のにはいつもよりくが集まった。夜勤を終えた若者がシャッターのがる音を聞き、「よかった、また朝やってる」と笑った。正夫はさな弁当を指さし、「帰って寝るならこっちだ」と言った。若者は「親父さん、と同じこと言う」と笑った。しず子は釣り銭を渡しながら、「と同じだけど、になったら閉めるからね」とを押した。

の受け取り担当として来たのは、翔太と同期のだった。

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は注文表を確認し、個の弁当箱を台へ載せた。正夫がを添えようとすると、翔太は「持つのは俺たちの仕事です」と言った。正夫はし満そうな顔をしたが、やがて頷いた。台の輪が横断歩を渡る音を聞きながら、しず子は夫の膝に目をやった。今は度もきな荷物を持っていない。以は仕事を終えるころには膝を伸ばすのもつらそうだったが、今朝は自分から台所の子を片付けている。しず子は何か言いかけて、やめた。変わったことをつずつ褒めれば、夫は照れてを張るに違いない。

しかし、しいやり方は最初から完璧ではなかった。目、返却された弁当箱がつりないことが分かった。しず子は注文表と返却数を照らしわせ、へ話した。受け取り担当が休憩を調べると、別の部署へ持っていった社員が自分のロッカーに空箱を置いていた。すぐに返却されたが、正夫は「が変われば忘れることもある」と言った。しず子は返却用の箱を決まった所に置いてもらうよう、担当者へ頼んだ。

目には、盛りと普通盛りの札が入れ替わり、翔太が受け取りに気づいた。誰かがべ始めてからでは困るので、しず子は蓋ので区別する方法を考えた。正夫は「だけじゃ分からんもいる」

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と言い、名と量を両方くことにした。さな違いをそので直せるのは、が無理をしていない証拠でもあった。昔なら忙しさに押され、次のまで持ち越していただろう。正夫はその夜、注文表の欄に「札の確認」と自分の字できした。の経験があっても違えるはある。だからこそ、誰かが気づける形にしておくことが事だと、翔太たちに教えられた気がした。

週の終わり、しず子は帳簿を閉じて正夫に見せた。注文数は定し、廃棄は以よりない。朝の売りも戻ってきたが、無理に数を増やしてはいない。仕入れ代と費を引いても、が続けられるだけの収入が残る見込みだった。「より売はないけど、より気持ちが楽だね」。しず子が言うと、正夫は「べてもらう数が分かるからな」と答えた。

曜、はを休んだ。正夫は朝遅くまで眠り、しず子と所の公園を散歩した。途で正夫が膝を気にすると、しず子はベンチへ誘った。はしばらく々を眺め、帰りにさなパンで昼を買った。ほかのが作ったものをでべるのは久しぶりだった。「の作った飯もうまいな」。正夫が言うと、しず子は声をして笑った。

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