"昭和62年、国鉄最後の日に駅弁を一つ売らなかった理由" 第7話
国の昼休み
誠に頼み、私は国沿いのを見にった。
の曜。商は静かなのに、沿いの型スーパーは駐がいっぱいだった。買い物袋を提げた族がへ戻り、制姿の員が弁当を積んだ台を押していた。
誠の借りたい元写真は、スーパーから歩いて分ほどの角にあった。ガラス戸の奥には、壁に残った撮見本の跡がある。
「昼はの、夕方は買い物帰り。ここなら駅よりく売れる」
「で通るは、止まってくれるかしら」
「だから板をきくする。揚げたてのコロッケも置く」
私は通りを見た。折してへ入るには、交通量のい線を横切らなければならない。駐の入は狭く、のにはが溜まりそうだった。
「ここ、をすとき危ないね」
「の所を見るなら、客が来ることを考えてよ」
「来た客が帰れるかも事でしょう」
誠は言い返せなかった。
私たちはくの堂に入り、昼の定を頼んだ。てきたのはい皿に盛られた焼き魚と噌汁。主は注文を聞くと、厨へ戻り、分を際よく運んできた。
「おばさん、この辺りの、昼は何をべるの」
私が聞くと、主は笑った。
「のはがいから、持ってきた弁当かパン。へられるは、うちへ来るよ。でものまで配達してるもある」
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「どこの?」
「田品さん。あそこはが何台もあるからね」
誠は私の顔を見た。
「ほら、配達だって商売になる」
「だから、を借りなくてもいいかもしれない」
今度は誠が黙った。
帰り、私は森渡駅の裏にあるさなバスに寄った。駅から町れのへ向かうバスが、昼に本る。乗るのはほとんどが女性だった。
が袋からパンをしてべ始めた。
「お弁当、買うところないんですか」
私はい切って聞いた。
「駅のまでくがないのよ。バス、すぐちゃうから」
別の女性が言った。
「宮原さんの鶏めしはってるけど、毎百円はちょっとね」
私は自分のの名を聞いて、妙に恥ずかしくなった。
バスを待つ女性たちは、私がっていたよりずっと細かく昼のことを考えていた。は朝に子どもの弁当を作るから自分の分までが回らないと言い、もうは夕の買い物を帰りにするので昼は節約したいと言った。
「おかずだけ売ってくれたら助かるんだけどね」
「ご飯はから持ってくるから?」
「そう。だけど毎同じ煮物は飽きるでしょう」
私は笑った。駅の売で客が何を買うかは見てきた。でも、客がで何を用しているか、誰のために働いているか、そこまではらなかった。
「ごめんなさいね、急にいろいろ聞いて」
「いいのよ。
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うちのでも、昼ごはんの話が番盛りがるんだから」
女性たちはバスが来ると、慌ただしく乗り込んでいった。私は発したのろを見送り、留所の刻表を写した。注文があっても、このバスより遅れて着いたらがない。
「もし百円で、ここで受け取れたら?」
「毎同じおかずじゃなければね」
「何までに欲しい?」
「半。昼休みは分しかないから」
私はメモを取った。相の名も勤め先も聞かず、話だけを持ち帰った。商売を決めるに、の昼休みをる必がある。
その晩、誠は国の取り図を卓から片付けた。
「母さん、配達ならがいる。今の軽トラックじゃ、保温も固定も分だ」
「そうね」
「俺の会社で、使わなくなった配送用の箱を譲ってもらえるか聞く」
私は息子を見た。
「会社、まだ辞めないでね」
「分かってるよ」
しだけ、私たちは同じ方向を見た気がした。
翌朝、バスで話した女性のからへ話が来た。
「うちのの昼係に話してみたの。試しに個、持ってきてもらえない?」
私は受話器を握り直した。
駅ので、初めて私の弁当を待つができた。
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