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"60日間見舞いゼロの夫、退院した妻に600万円を要求" 第17話

取り調べの沼劇

翌週、警庁本部の階にある暗い取調。

スチール製の机を挟んで、神崎警部と相対していた剛田数は、見るもなくやつれ果てていた。

座の級美容でえていた髪はボサボサに乱れ、トレードマークだった派なブランドの代わりに、留置から支されたのスウェットを着せられている。

「数被疑者。これが、おの個座に達也から振り込まれた千百万円の使途細だ」

神崎警部が、分い捜査報告を机のに叩きつけた。

「座の商での貴属購入に百万円。級エステのパスポートに百万円。級料亭やホテルのスイートルームでの費に数百万円。……息子の会社の公を横領し、瀕の嫁を放置してまで買い漁った宝のは、どうだった?」

「ち、違うんです! 私は騙されていたんです!」

数はを乗りし、唾をばしながら喚きてた。

「全部、息子の達也がやったことなんです! あの子が『会社の正規の役員報酬だから、母さん自由に使っていいよ』って私に渡してきたんです! 私は被害者なんです! あんな親孝な息子、刑にしてください!」

別の取調で、その供述内容を聞かされた達也は、激昂して机を叩き割らんばかりに暴れた。

「あのクソババアッ!! 『がりない、座にけないと恥をかく』って俺を毎責めてて、を求してきたのは母さんだろうが! 俺を産み育てた恩を盾にして脅してきたのはあいつだ! 俺を唆した母さんを罪にしろ!」

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かつて「自の息子」と「誇りき母」として、者を見し、踏みにじりっていた親子の絆の残骸。

そこに残っていたのは、互いに罪を擦り付けい、罵りう、救いようのない醜悪な沼劇だった。

だが、弁護士率いる神堂グループ法務部が提した証拠は、あまりにも完璧だった。

の通話録音、メッセージ履歴、ATMの入カメラのタイムスタンプ。

状酌量の余など、片たりとも認められなかった。

検察は、剛田達也を特別背任および業務横領の罪で、剛田数を同幇助および横領罪で、即座に起訴続きに入った。

保釈請求は「証拠隠滅および逃の恐れあり」として即却。

被害額のきさ、犯の計画性、そして被害者である会社および関係者に対する反省の態度の欠如から、実刑判決は確実されていた。

たい独の格子窓から見える、切り取られたの曇り空。

かつて億円の豪邸でワインを傾けていたに残されたのは、これから始まる刑務所での過酷な々だけだった。

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