"夜勤明けに鍵を替えられた私" 第10話
徹の職で起きたこと
調が続く、徹の職での様子を私はらなかった。共通のから、徹が部署を移ったらしいと聞いたのは、婚の話しいが始まって数かだった。昇した輩が課になり、徹は担当していた取引先の部を引き継いだという。
私は詳しいことを尋ねなかった。徹の仕事がうまくいっているかどうかは、もう私が配することではない。彼が休み続けたことや、職のに仕事を任せていたことが評価に響したのなら、それは彼自が向きう問題だ。
ある、徹の母から「徹が落ち込んでいる」と連絡があった。私は返事をしなかった。以なら、様子を聞き、何かできることがないか考えたかもしれない。けれど今は、義母が息子の支えになればいいとうだけだった。
その頃、私は護部から、教育の見直しを頼まれた。で、若い護師が疲れて辞めることが続いている。病棟の先輩たちの見を聞き、夜勤の回数や相談の仕組みをし変えられないか話しった。
すぐに全てが良くなるわけではない。それでも、真帆やの輩が「困ったに相談できる」とえる職にしたかった。徹が輩の昇を妬んだ、私は彼を励ますことばかり考えた。でも、彼が輩の成功をべなかったのは、彼自の問題だった。
広告
その夜、私は久しぶりに自分のマンション候補を探した。実にずっといるのではなく、通勤しやすい所で暮らしを始めたい。賃、駅からの距、夜のるさを見比べて、内見の予約を入れた。
徹の職の話を聞いて、私は彼のことを考え続けるのをやめた。彼が輩の昇をどう受け止めるか、会社でどう評価されるかを、私が支える必はない。もし彼が自分の働き方を見直すなら、それは彼自が決めることだ。
私の方は、護部から教育の見直しを頼まれた。忙しい病棟でがで抱え込まないよう、夜勤に相談するを作れないか、先輩たちと話しった。真帆は、質問しやすい担当者を毎週決める案をした。私はその案を会議に持っていき、試しにつの病棟で始めることになった。
仕事を終えた帰りに、私は駅で産報を見た。実にいると落ち着くが、両親にいつまでも頼りたくはない。自分の収入で暮らせる部を探し、通勤や夜のるさも調べた。
徹のことを考えていたを、自分のこれからに使い始めていた。
輩の真帆は、会議のに「反対されるとっていたので、千歳さんが賛成してくれてしました」と言った。私は、いい案なら役職に関係なく採用したいと答えた。徹は自分の輩が評価されることを、自分が負けたように受け止めていた。
広告
でも、職は勝ち負けだけでできているわけではない。
そのの夜、私は自分の評価面談の資料を作った。患者さんやスタッフにどう役てるかを考え、できたことと課題を分けてく。徹の昇をうらやましがっていたわけではない。私自も仕事で目標を持ち、しずつにんでいた。
真帆たちは、相談の仕組みをか試してから、使いにくい部分を直した。完璧な制度を度で作るより、現の声を聞いて変えていく方がいい。私はそのめ方を支持した。
教育の案をした、の護師から「そんなを作る余裕はない」と反対された。私は現の忙しさも分かっているので、最初からきな制度にせず、週に度、い相談を設ける案に変えた。真帆は勤務表を見ながら、誰が担当できるかを緒に考えてくれた。
徹の職でも、輩が昇した、徹がそのを応援していたら関係は違ったかもしれない。けれど、私は彼がどうすべきだったかを考え続けないことにした。徹は自分の仕事を自分でて直す会を持っている。私は私の職で、輩たちがして働ける環境を作る。
帰宅、病院からの話が本入った。が勤務にをじたという。私は話を聞き、翌の面談を約束した。忙しいは続くが、自分の仕事に戻れることが嬉しかった。
広告
おすすめ作品
-
完結第18話
3年ぶりの帰省、弟嫁がゴミ箱を漁っていた理由
32歳の玲奈は、3年ぶりに実家へ帰り、弟の妻・南が別人のように痩せていることに驚く。夕食の席でも南の前には料理がなく、家族は誰も気に留めない。その深夜、台所で物音を聞いた玲奈は、ゴミ箱を漁る南の姿を目撃する。「食べられるものを探していました」――その言葉をきっかけに、母と弟が南に強いていた異常な暮らしが明らかになっていく。さらに、南が隠し持っていた手帳には、翌朝に迫る恐ろしい約束が記されていた。玲奈は弟嫁を守るため、信じていた家族と向き合う決意をする。因果応報|人生逆転|兄弟姉妹|嫁姑|夫婦|修羅場2.4万字5 14 -
完結第11話
新婚初夜の裏切り
結婚式を終えた夜、美香はホテルの浴室から、夫の健太が自分のバッグを探る姿を目撃する。持ち去られたのは、父から贈られた1億円の預金口座のキャッシュカードだった。翌朝、健太は「弟の用事がある」と言ってホテルを出ていく。以前から義母と義弟は、8800万円の新居を欲しがっていた。まさか、私のお金で家を買うつもりなの? 夫を問い詰めず、黙って様子を見る美香。やがて不動産会社から、思いもよらない電話がかかってくる。結婚初日に露わになる夫の本性と、美香が密かに用意していた対抗策とは。兄弟姉妹|夫婦|ATM扱い|金銭問題1.8万字5 10 -
完結第10話
もやしと消えた仕送り
フリーランスのデザイナーとして働く里見は、一人暮らしの母・春江に毎月10万円を仕送りしているつもりだった。ところが、久しぶりに訪ねた実家で目にしたのは、冷やご飯ともやしだけの寂しい食卓。母は仕送りなど一度も受け取っていないと言う。家計を任せていたのは、優しく頼りになる夫の久し。疑念を抱いた里見が夫のスマホを確かめると、そこには信じがたい送金記録と、妻をあざ笑うメッセージが残されていた。さらに、夫が隠していた給与明細にも不可解な数字が……。信じていた家族の裏切りを知った里見の反撃が始まる。裏切られた|嫁姑|親子関係|金銭問題1.5万字5 33 -
完結第10話
「中卒女に現場は無理」職人10人が辞めた結果
中学卒業後、十五歳で職人の世界に飛び込んだ堀江千夏。三十二歳で工務店の現場責任者に抜擢されるが、古参の職人頭・岩木は「中卒の女に現場が回せるか」と嘲笑う。やがて岩木を含む十人が一斉に退職。大型介護施設の改修工事は納期目前なのに、残された職人はわずか三人だった。しかし千夏には、十七年間積み重ねてきた技術と、二十冊を超える黒い手帳があった。仲間とともに現場の立て直しに挑む千夏。その一方で、手帳に記された資材の数字が、会社に隠された不審な事実を浮かび上がらせていく。職場逆転|因果応報|人生逆転|修羅場1.3万字5 28 -
完結第20話
夫の昇進を伝えた瞬間、父が命じた全財産の移転
夫・達也の専務昇進を喜んだ美桜。ところが父に報告すると、返ってきたのは祝福ではなく、「財産をすべて母さんの名義に移しなさい」という不可解な指示だった。昇進を境に夫は横柄になり、義母まで豪邸と通帳を自分たちのもののように扱い始める。さらに、高額な宝石の領収書や会社の不審な資金移動が見つかり、美桜は夫の裏の顔を知っていく。嫁姑|夫婦|金銭問題2.5万字5 24