みかん小説
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"夜勤明けに鍵を替えられた私" 第11話

で暮らす部

内見にった部は、駅から歩いて分ほどのさなマンションだった。築数はし経っていたが、窓がきく、昼はが入る。キッチンは狭いけれど、夜勤に簡単な事を作るには分だった。

産会社のに「おでむんですね」と聞かれ、私は「はい」と答えた。その言が、ったより自然にた。結婚してからは、何をするにも徹の予定や見を先に考えていた。自分の暮らす所を、自分だけで決めるのは久しぶりだった。

契約の準備をめる、調ではマンションの評価額やローンの残が話題になった。徹はみ続けたいと言った。私はマンションを欲しいとはわなかった。で過ごした所に戻る気はないし、仕事へくたびにあの玄関をいすのも嫌だった。

弁護士は、私が権利を放棄する形にならないよう、適切な分与を求める案を作ってくれた。私は数字を確認し、無理のない範囲でした。徹から「そんなにが必なのか」と言われたが、私は自分の取り分を受け取るだけだと伝えた。

しい部に入居した、段ボールをつずつけた。病院の制、仕事の資料、普段着。母が持たせてくれた鍋と器も並べた。部はがらんとしていたが、誰かの嫌を気にせず暮らせるとうと、し嬉しかった。

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夜勤、私は玄関の鍵を回した。カチッと音がして、ドアが閉まる。自分の部の鍵を、自分でかける。たったそれだけのことが、につながっていた。

内見の、私は部の窓をけての音を聞いた。からしれているので、の音は気にならない。夜勤けに眠ることを考えると、静かな部がよかった。担当者は、くにスーパーとさな公園があると教えてくれた。私は通勤経も確かめてから、ここに決めた。

契約の際、保証や緊急連絡先の類を揃えた。婚の続きが終わるだったので、弁護士にも確認してもらい、余計な問題が起きないようにした。具は必なものだけ買った。きなソファは置かず、ベッドとテーブル、装ケースで分だった。

入居した初、私は蔵庫にみ物を入れ、玄関にさなマットを敷いた。母が持たせてくれた鍋で湯を沸かし、お茶をむ。部はまだ箱だらけだったけれど、ここで何をどこに置くかは私が決められる。

夜勤に玄関の鍵をかけ、回して確かめた。鍵がかかったことを自分で確認できる。それだけで、胸の奥がし落ち着いた。

部を決めてから、私は必なものをにきした。ベッド、カーテン、照、蔵庫。きなテレビやソファは買わない。夜勤けに寝られる遮カーテンはし値段がかったが、自分のために選んだ。

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値札を見て、徹に何か言われるかもしれないと考えなくていい。

具を届けてもらった、配送のが「この部、当たりがいいですね」と言った。私は「そうなんです」と答え、窓をけた。が通り、カーテンがし揺れる。ここにむのは私だ。さな部でも、自分で選んだとうと切にじた。

引っ越しの荷物は、段ボール箱で済んだ。活に必なものはない。何を持っていくかを自分で選ぶは、これから何を切にしたいか考えるでもあった。

暮らしを始めた最初の週、私は夜勤けに玄関でち止まった。部は暗く、誰もいない。以なら、帰れば徹の顔を見て、何か言われないか気にしていた。今は、静かにドアを閉め、靴を脱いで、先にお呂を沸かせる。誰かの嫌にわせなくていいことが、っていたよりきなになった。

引っ越しの片づけはしずつめた。職の類は机の引きしへ、普段着は装ケースへ。結婚に買った物は、必なものだけ残す。母からもらったさな鍋は、毎朝お湯を沸かすのに使っている。ものを選ぶ基準が、「徹が気に入るか」から「私が使いたいか」に変わっていった。

最初の休、私は目覚ましをかけずに眠った。起きたら昼を過ぎていたが、誰にも責められない。所のでパンを買い、窓辺でべた。

何でもないだったが、私にはしい活の始まりにえた。

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